オパクスサビクワガタ(ソリアシサビクワガタ)
Gnaphaloryx opacus Burmeister, 1847
インドネシア 東ジャワ アルゴプーロ WF2
言わずと知れた(???)ソリアシサビクワガタ属最大種。
なんだかんだワイルドからF2までブリードに成功し、本種に対して妙な愛着が…。そんなわけで、ブリードするにあたり以下の目標を自分の中で掲げることにしました。
①BE-KUWAレコードに本種を登録する
②野外レコードを超える(BE-KUWA上では37.1ミリ、確認している最大個体は38.2ミリ)
③♀で30ミリを超える
④F10までインブリードする
しつこくブリードしていきます。
親を手に乗せてたらケンカを始めました。活性が低い種のため、思いのほかアグレッシブに闘争する様にびっくり。
1.2021年9月 産卵セット
種親サイズ:♂34.5×♀26.0、♂32.1×♀22.3
クリスラ小にカワラ材転がしただけのやる気ないセット。
なんとなく、脚反ってるタイプのメスは材埋めない方がいいような気がする(ブッダノコギリとか)。
2.2021年11月22日 割出
26.0の♀からは31頭+1卵
予想の約2倍も採れてしまった…。
正直産卵数を期待していなかったので菌糸が足りず、一部はタコ部屋へ。めんどかったので小さい幼虫、卵も容赦なく菌糸へ
22.3の♀からも少しだけ採れました。
投入後は23~24℃あたりで管理し、2齢割出組は半月ほどで18℃設定のワインセラーへ、初齢割出組は室温飼育(当時16~18℃程度)へ。
3.2022年3月~ タコ部屋組羽化開始
相変わらずあっという間に羽化。
極端に小さい個体は少なかったものの天井も大したことはなく…。仕方ないですね。この時点で♀は自己ベスト更新しましたが
4.2022年5月~ 個別組蛹化・羽化確認
個別組のほとんどで食痕があまり出ておらず、生存確認もかねて掘り出してみると、すでに羽化しているものや蛹が出てきました。
しかしながら、思ったよりも大きくはなっておらず意気消沈…
こんなのも出てきて萎えが加速。
5.羽化個体紹介
♂34.5×♀26.0の子
♂①31.7mm GOWF3-A345260-02
2021年11月22日 割出 初齢 微創研オオヒラタケ微粒子850cc
2022年6月19日 羽化
前蛹2.2g
蛹体重1.9g
♂②30.9mm GOWF3-A345260-04
2021年11月22日 割出 2齢 微創研オオヒラタケ微粒子850cc
2022年5月13日 羽化
蛹体重1.6g
♂③32.5mm GOWF3-A345260-05
2021年11月22日 割出 2齢 微創研オオヒラタケ微粒子850cc
2022年5月11日 羽化
蛹体重1.9g
♂④28.3mm GOWF3-A345260-06
2021年11月22日 割出 初齢 微創研MT160fine850cc
2022年5月1日 羽化
蛹体重不明
♂⑤32.6mm GOWF3-A345260-10
2021年11月22日 割出 2齢 微創研MT160fine850cc
2022年5月4日 羽化
蛹体重1.8g
♂⑥34.1mm GOWF3-A345260-12
2021年11月22日 割出 初齢 微創研カワラ微粒子850cc
2022年5月27日 羽化
蛹体重2.1g
羽化時は完品だったのに、なぜか脚がもげるもげる…orz
♂⑦32.5mm GOWF3-A345260-13
2021年11月22日 割出 初齢 微創研カワラ微粒子850cc
2022年5月1日 羽化確認
蛹体重不明
♂⑧???mm GOWF3-A345260-14
2021年11月22日 割出 2齢 微創研カワラ微粒子850cc
2022年6月11日 羽化
蛹体重?g
♂⑨32.0mm GOWF3-A345260-16
2021年11月22日 割出 2齢 月夜野エレメント800cc
2022年5月1日 羽化確認
蛹体重不明
♂⑩33.7mm GOWF3-A345260-17
2021年11月22日 割出 2齢 月夜野エレメント800cc
2022年5月1日 羽化
蛹体重不明
お前普通にクヌギ食えんのかよ!!!
変に気遣ってブナ使ってたのバカみたいやん…
♂⑪32.1mm GOWF3-A345260-18
2021年11月22日 割出 初齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年4月16日 羽化
蛹体重1.9g
♂⑫21.7mm GOWF3-A345260-20
2021年11月22日 割出 初齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年4月下旬 羽化
蛹体重不明
両前脚欠損の奇形。幼虫の時から前脚が黒ずんでいた。
♂⑬24.1mm GOWF3-A345260-23
2021年11月22日 割出 初齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年3月22日 120ccカップ 幼虫体重3.5g
2022年4月26日 羽化
蛹体重1.0g
奇跡のダイエット。蛹化用だったとしてもそれなりにサイズのある容器に入れよう、と教訓。
♂⑭32.6mm GOWF3-A345260-24
2021年11月22日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年3月21日 羽化
蛹体重2.0g
♀①25.3mm GOWF3-A345260-07
2021年11月22日 割出 初齢 微創研MT160fine850cc
2022年6月7日 羽化
前蛹1.7g
蛹体重1.5g
♀②27.0mm GOWF3-A345260-08
2021年11月22日 割出 2齢 微創研MT160fine850cc
2022年5月13日 羽化
蛹体重1.7g
♀③28.6mm GOWF3-A345260-09
2021年11月22日 割出 2齢 微創研MT160fine850cc
2022年5月1日 羽化
蛹体重不明
♀最大個体。
♀④28.3mm GOWF3-A345260-15
2021年11月22日 割出 2齢 微創研MT160fine850cc
2022年5月1日 羽化
蛹体重1.9g
♀⑤24.0mm GOWF3-A345260-19
2021年11月22日 割出 初齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年4月14日 羽化
蛹体重1.3g
♀⑥27.1mm GOWF3-A345260-21
2021年11月22日 割出 初or2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年4月21日 羽化
前蛹2.0g
蛹体重1.8g
♀⑦25.1mm GOWF3-A345260-22
2021年11月22日 割出 初or2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年4月6日 羽化
蛹体重1.5g
♀⑧27.2mm GOWF3-A345260-25
2021年11月22日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年3月21日 羽化
蛹体重1.7g
♀⑨27.0mm GOWF3-A345260-26
2021年11月22日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年3月22日 羽化
蛹体重1.6g
♀⑩25.2mm GOWF3-A345260-28
2021年11月22日 割出 初or2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 複数頭タコ飼い
2022年4月19日 羽化
蛹体重1.5g
♂32.1×♀22.1の子
♂25.0mm GOWF3-A321223-06
2021年11月9日 割出 3齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年4月9日 羽化
♀①23.0mm GOWF3-A321223-01
2021年11月9日 割出 初齢 北斗恵栽園オオヒラタケ800cc
2022年4月19日 羽化
♀②27.1mm GOWF3-A321223-02
2021年11月9日 割出 初齢 北斗恵栽園オオヒラタケ800cc
2022年3月26日 羽化
♀③24.8mm GOWF3-A321223-03
2021年11月9日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年4月9日 羽化
蛹体重1.3g
♀④22.3mm GOWF3-A321223-04
2021年11月9日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年4月5日 羽化
蛹体重1.1g
♀⑤24.9mm GOWF3-A321223-05
2021年11月9日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年4月9日 羽化
蛹体重1.5g
♀⑥22.8mm GOWF3-A321223-07
2021年11月9日 割出 3齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年2月17日 羽化
♀⑦22.1mm GOWF3-A321223-08
2021年11月9日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い
2022年4月6日 羽化
蛹体重1.4g
右腹部はみ出し気味
6.各種データ
♂…15頭
平均体長:???mm
中央値:???mm
最大:???mm
最小:21.7mm
標準偏差:???
小さい個体が極端に小さい=やや大きめにまとまっている傾向。いいね。
まぁ野外最大には及ばないんですが
♀…17頭
平均体長:25.4mm
中央値:25.2mm
最大:28.6mm
最小:22.1mm
標準偏差:2.0
やや下振れだが、自己ベストを更新できたのでギリあり。
死亡率:4/36=11.1%
全頭菌糸に突っ込んだ割には死んでるような気もする…。
7.所感
温度さえいじればあっさり大型出るやろ!という甘い考えを見事に打ち砕かれました。室温飼育(冬16~18℃、春18~20℃程度)であっても半年程度で羽化してきているため、3齢後期はより低温で引っ張ってもよさそうに思いました。
今回シワタケを初めて導入しましたが、♀の最大個体が出るなど悪くなさそうです。根食い向きとの触れ込みで少しだけ不安だったものの、カワラタケと少し似ているキノコのため(Familyは同じ)不適ではないようでした。
カワラタケ、シワタケ、オオヒラタケの間で還元に差があるように思いました(カワラ≧シワ>オオヒラ)。n数増やして解析したいところです。
まだまだ改善できる点は多数あるため、0.1mmでも大きい個体を作出できるようこれからも邁進していこうと思います。
他の人がこいつ飼ったら何mmまで出せるのか気になるので、興味ある方声かけてください。投げます。
野外レコ超えバカスカ出せるよ~ってオチついたら、己がいかに飼育ヘタクソか露呈するからイヤだなぁ~。