きれいで簡単にふえるやつがすき

趣味で飼育しているクワガタの飼育記録を投稿します。小型種多め。

ラミニフェルノコギリクワガタ WF1 飼育記

ラミニフェルノコギリクワガタ

Prosopocoilus laminifer Boileau, 1905

スマトラ島 Mt. Talang産

 

 

1.はじめに

1-1.枕詞という名の駄文

※この先しばらく心底どうでもいい文章が続きます。飼育内容をご覧になりたい方は上の目次からページを飛ばしてください♪♪※

 

2023年3月。なんとな~くインドネシア便よりパッサロイデスノコギリのペアを購入。

すると♂が↓

 

誰お前!!???!?

 

明らかにパッサロイデスではない♂。大図鑑で☆5の珍品であるラミニフェルノコギリクワガタがやってきました。

近年は生体流通が全くと言っていいほどなく、おそらく日本国内からは絶えていたのではないでしょうか。思わぬ特別ゲストにテンションぶちあがりでございます。2%くらい「来るんじゃないか?」と期待していた節はあった。でも本当に来るとは思ってなかった。

セットで届いた♀は…残念ながらパッサロイデスのようです。というのも、ビークワのノコギリクワガタ特集にはラミニフェルの♀が掲載されておらず、正解がわからないので「たぶん、パッサロイデスだろう…」という感想しか出てきません。

恥ずかしながら大図鑑を持っていないので(は?買えよ)、答え合わせをするにはパッサロイデスではなさそうな♀を手に入れるしかありません。というわけで

 

 

全速前進DA☆

 

これがラミニフェル召喚の儀、人は「パッサロイデスガチャ」と呼びます(呼ばない)。

排出結果↓

パッサ。

 

パッサ。

 

全パッサ。

 

♂は要らんのよ(片方ラミニフェル)

 

…数回繰り返して累計8ペアほど購入したある日、明らかに違和感のある♀が到着。ビークワのプレートには該当しそうな♀がいません。つまりラミニフェルの可能性が濃厚!!というわけで

 

これがラミニフェルノコギリの♀だ 刮目せよ!!

、、、w

 

はい、全然違いますね。ラミニフェルではないにしてもパッサロイデスの♀ではなさそうです。是が非でも幼虫をとりたいところ。

ちなみにパッサであろう♀も未練がましく全部セット組みました。マットをボトルに詰めただけのお粗末なセットですべての♀が産卵し、案の定ゾロゾロとパッサが羽化…。

 

※※駄文おしまい♡※※

 

1-2.緒言

スマトラ島特産のノコギリクワガタ。パッサロイデスノコギリクワガタ(Prosopocoilus passaloides)に近縁だが、より脚が長くスタイリッシュな印象を受ける。

 

文字通りノコギリのような内歯がとてもカッコいい。体表の微毛もシックな魅力がありvery goodでございます。

大図鑑では☆5の珍品であり、標本屋さんでからしても割と珍しい種類という認識のようです。

昔は生体流通があったようですが、現在は全然さっぱりあぶらあげ

 

運よくそれっぽい野外品を入手することができたので、ブリード頑張っていこうと思います。

 

2.飼育記

2-1.2023年6月27日 ペアリング~産卵セット

6月購入のペアに怪しい♀が含まれており、♂も同時に引けていたのでペアリングを実行。

この反応のスムーズさは同種とみて間違いないでしょう。万が一別種だったとしても羽化すればわかります。

 

ペアリングの翌日には産卵セットへ投入。

パン屋さんに材を埋め込んだ、本種の大きさからすると贅沢なセット。いっぱい産んでくれぃ!

 

2-2.2023年7月31日 割出

…。

何とも寂しい結果に。いくらなんでもこの数はあんまりじゃないか??

諦めきれずに埋め戻し、後日ほんのちょっとだけ追加。

採れた幼虫は500ボトルで飼育。

 

2-3.2024年1月~2月 蛹化~羽化

ボトル投入から半年ほどで蛹化。この時点では本当にラミニフェルなのかは確定していません。どっきどきでございます。

アゴのストレート具合から、少なくともパッサロイデスではなさそうな感じがします。

 

1ヶ月程度で色づき始めました。アゴ先の二又…これは確定演出か!?

 

やったぜ!!!

ばっちりラミニフェルが羽化してきました。いや~よかった!この瞬間の脳汁のためにパッサロイデス買いまくった甲斐があるというものです。

 

♀も羽化してきてほっと一息。ただしこの一頭だけなので安心はできません。

 

3.羽化個体紹介

♂①33.7mm PLWF1-01

2023年7月31日 採卵 120カップ

2023年9月28日 恵栽園マット@500ボトル 3齢

2024年2月23日 羽化

蛹体重1.2g

 

♂②33.4mm PLWF1-03

2023年9月28日 恵栽園マット@500ボトル 初齢

2024年1月27日 恵栽園マット@250カップ(コバエ大量発生のため)

2024年3月17日 羽化

 

♀22.8mm PLWF1-02

2023年9月28日 恵栽園マット@500ボトル 2齢

2024年3月1日 羽化

 

4.所感

まずはパッサロイデスを8ペア買うところから始めましょう。話はそれからだ

 

冗談はさておき、ひとまず「当たり」を引いて羽化まで持っていくことができたのは良かったです。

飼育に際し、パッサロイデスよりも癖があるような感じがしました。特に産卵において、パッサロイデスはマット詰めときゃ産む典型的なノコギリですが、本種は材にちょろちょろっと…という感じで感覚が全く異なります。CB化すれば多少変わるのかもしれませんが、素直なヤツではないようです。

幼虫飼育は散々な内容の割にそれなりのサイズの個体が羽化してきてくれたので、産卵よりは容易なフェーズだと思います。きちんと手をかければ飼育レコードに届きそうな気も。ただ、情報が少なすぎてどれくらいの大きさからが特大と言えるのかはよくわかりません。

雌雄揃って羽化してきてくれたとはいえ、頭数が少なく綱渡り状態。特に♀は1頭しかいないのでヒヤッヒヤです。最初に羽化した♂は近々動き出しそうな予感がするので、休眠が長い種類ではなさそうです。遠からずブリード開始となるでしょう。絶やせない虫故、緊張も段違い…。

最近、追加狙ってパッサロイデス3ペア買いましたがオールパッサで無事爆死しました。前途多難…。

 

5.おまけ ラミニフェルとパッサロイデスの見分け方

5-1.♂

見りゃわかんだろ 小さいオスだけ貼っとく

 

5-2.♀

P. laminifer

 

P. passaloides

 

おまけ P.tigrinus

 

見分けポイント

・全体的に点刻が薄めで、上翅会合部などに点刻列を欠く部分がある(ラミニフェル)

・全体的にはっきりとした点刻が入る(パッサロイデス)

 

・眼縁突起はパッサロイデスと比較して発達しない(ラミニフェル)

・眼縁突起は外側に弧を描き、膨らみやすい(パッサロイデス)

 

・体形は普通のクワガタの♀と比較して細長い程度(ラミニフェル)

・体形は非常に細長い洋ナシ形(パッサロイデス)

 

・大アゴはやや細い?(ラミニフェル)

・大アゴはやや太く湾曲しやすい?(パッサロイデス)

 

P. laminiferP. passaloides

点刻と眼縁突起で比較するとわかりやすいです。こうして見ると前脚脛節の形状も違うかも。

フォルケプスシカノコギリクワガタ 原名亜種 WF1 スマトラ島産 飼育記

フォルケプスシカノコギリクワガタ

Kirchnerius forceps forceps (Vollenhoven, 1861)

スマトラ島 Mt. Talang産

 

 

1.はじめに

いわゆるユミツノノコギリと呼ばれているグループ。短歯は弓状に曲がったペンチのような大アゴが特徴ですが、こちらは長歯。流通している個体は圧倒的に短歯が多い印象です。いかつい短歯、スマートな長歯どちらも魅力があります。赤い体色もvery good。

ビークワ79号でシカノコギリクワガタ属(genus Kirchnerius)にいれられてましたが、個人的にはノコギリクワガタ属のまんまでもよかったんじゃないかなと思っています(クソザコ飼育屋並感)。

産地は「Mt. Talang, Sangir, South Solok-Padang, West Sumatra, Indonesia」。長ったらしいったらありゃしない。タラン山ってことがわかってればいいよね、うん。というかネシア虫の産地ラベルをアテにしてはいけない。

 

2.飼育記

2-1.2023年4月24日 産卵セット

1週間ほど前に入手した野外品をセット。2ペア買いました。売り切れるの結構早かったなぁ…。

片方は追い掛け(♂42.8×♀29.8)、もう片方は持腹。典型的なノコギリセットです。

 

2-2.2023年6月24日 割出

産んでいる気配が全然なく心配していましたが、何とか追い掛けした方の♀から幼虫を確保できました。

しかしながらノコギリクワガタらしからぬ少なさです。大丈夫かな…。

 

2-3.2023年11月 ♂蛹化、♀羽化

幼虫期間が夏だったせいか、投入から5ヶ月ほどであっという間に蛹化。

蛹を見ても短歯なのか長歯なのかかイマイチわかりません。

体重的には小さくはなさそうですが…。

♀はすでに羽化していました。たぶん、大きくはないです。

 

2-4.2023年12月15日 ♂1号羽化

蛹化してから約1ヶ月後、ついに羽化が始まりました。歯型は果たして…?

長歯!!!

初飼育で長歯が羽化してくれたのは素直に嬉しいです。イケメンだなぁ…。

 

3.羽化個体紹介

♂①52.6mm KFFWF1-01

2023年6月29日 怪物くん@800 2齢

2023年12月15日 羽化

蛹体重5.6g

 

いきなり最大個体。還元が後続よりほんのちょっと悪い。

 

♂②50.2mm KFFWF1-05

2023年6月29日 怪物くん@800 初齢

2024年1月上旬 羽化

蛹体重5.1g

 

♂③51.9mm KFFWF1-06

2023年6月29日 怪物くん@800 初齢

2023年12月19日 羽化

蛹体重5.4g

 

♂④50.0mm KFFWF1-08

2023年6月29日 怪物くん@800 初齢

2023年12月下旬 羽化

蛹体重4.8g

 

♂⑤52.3mm KFFWF1-09

2023年6月29日 怪物くん@800 初齢

2023年12月19日 羽化

蛹体重5.4g

 

♀①31.3mm KFFWF1-02

2023年6月29日 怪物くん@800 2齢

2023年11月14日 羽化

 

♀②31.8mm KFFWF1-03

2023年6月29日 怪物くん@800 2齢

2023年11月12日 羽化

 

♀③31.0mm KFFWF1-04

2023年6月29日 怪物くん@800 初齢

2023年11月26日 羽化

蛹体重2.4g

 

♀④31.0mm KFFWF1-07

2023年6月29日 怪物くん@800 初齢

2023年12月15日 羽化確認

 

4.所感

頭数こそ少ないですが、すべての♂が垂涎ものの長歯で羽化してくれました。歯型変化への影響は温度よりも個体サイズの方が大きいのかもしれません。まぁ、思考停止飼育だったので普通に飼育していれば長歯ばっかりになるのかもしれないですが。

2024年2月現在、飼育レコードは53.4mm。運よくあと1ミリほどまで迫ることができました。おそらくエサが適していたんだろうと思います。♀は最大個体でも32ミリ未満ですが、頑張れば35ミリに達しそうな気がしなくもないです。

特別低温にする必要もなさそうなので、気楽に続けていこうと思います。あ、次世代はもっと産んでくれよな!

サイガヒラタクワガタ セラム島産 CBF1 飼育記

サイガヒラタクワガタ

Dorcus saiga (Olivier, 1879)

インドネシア セラム島

 

 

1.はじめに

前回、散々な飼育をしてしまったサイガヒラタ(前回→サイガヒラタクワガタ ブル島産 F4 飼育記 - きれいで簡単にふえるやつがすき (hatenablog.com))。今回はセラム島産です。

形状的にはブル産の方が細長くサイズを稼ぎやすそうに見えますが、大きくするのはセラム産の方が簡単だったりするかもしれません。

WF1は持腹で採卵したので、♂は暇そうにしてました。WF1♀の羽化が間に合ったので、せっかくの機会ということで別系統を作ろうと思います。野外品の入荷多くないですし。

 

2-1.2022年8月21日 ペアリング

♂は2021年12月購入の野外品のため、いつ限界が来てもおかしくないので♀が後食開始して間もなくペアリングを行いました。サイズは47.2×28.2。

 

2-2.2022年9月 産卵セット

産卵セットはマット固詰めのみ。サイガはマットだけで十分産みます。

レスポンスも早くていい感じです。

 

2-3.2023年1月24日 割出

随分放置してしまいました…。若齢幼虫ばかりなのは救いかも。

子食い→再度産卵みたいなことしてたんでしょうか。♀は元気でした。

前回はマット飼育をしていましたが、思うところがあり菌糸でやることにします。

 

2-4.2023年8月24日 羽化

1年もかからず羽化。ちゃんと文章を読んでくれている方は「あれ、菌糸で飼育したんじゃないの?マットで羽化してるようだけど」と思ったことでしょう。というのも、羽化するまでにいろいろありまして…

 

・冬にボトル投入して室温(16~18℃)で飼育した結果、寒すぎて半分くらいが落ちる

・菌糸の劣化がひどく、コバエ祭りになってしまったボトル多数

 

これらの問題のせいでまた散々なことに(自分のせい)。写真の個体は、蛹化したもののコバエがひどすぎたため他種の蛹室にお引越しした、という経緯がありました。

しょげることもありましたが、一旦羽化した成虫を見て落ち着くことにします。やっぱサイガかっこいいなぁ…。

 

3.羽化個体紹介

♂①55.3mm DS-SCBF1-B07

2023年1月24日 エレメント800 初齢

2023年9月21日 羽化確認

蛹体重7.2g

 

♂②58.3mm DS-SCBF1-B09

2023年1月24日 エレメント800 初齢

2023年12月13日 羽化

蛹体重8.0g

 

当サイクル最大個体。

 

♂③58.1mm DS-SCBF1-B16

2023年1月24日 エレメント800 初齢

2023年9月30日 羽化

蛹体重8.0g

 

♂④57.3mm DS-SCBF1-B20

2023年1月24日 エレメント800 初齢

2023年8月24日 羽化

蛹体重7.8g

 

♂⑤55.8mm DS-SCBF1-BX02

2023年1月24日 エレメント800 初齢

2023年12月8日 羽化

蛹体重7.2g

 

♀①28.6mm DS-SCBF1-B11

2023年1月24日 エレメント800 初齢

2023年9月7日 羽化確認

 

♀②28.8mm DS-SCBF1-B13

2023年1月24日 エレメント800 初齢

2023年9月7日 羽化確認

 

♀③28.7mm DS-SCBF1-B17

2023年1月24日 エレメント800 初齢

2023年7月2日 羽化確認

 

♀④28.3mm DS-SCBF1-B18

2023年1月24日 エレメント800 初齢

2023年7月2日 羽化確認

 

♀⑤28.4mm DS-SCBF1-B19

2023年1月24日 エレメント800 初齢

2023年7月 羽化

 

♀⑥25.0mm DS-SCBF1-BX01

2023年1月24日 エレメント800 2齢

2023年7月16日 羽化確認

 

4.所感

この人またやらかしてるよ…。サイガでやらかしをかまさないといけない呪いにでもかかっているのでしょうか。

最大個体は58upで、悪くはないと思います。2024年1月現在の飼育レコードは60.5ミリなので、やらかしがなければ射程圏内でしょう。

2023年に近縁種のデタニヒラタでレコードをとることができましたが、その時は高温×菌糸でした。サイガも似たような飼育で大型個体を作出できるのだろうと思います。

北日本で高温環境!!は中々厳しいものがありますが、ブリードする時期を工夫しながら頑張ろうと思います。次は♂レコード超え、♀30upが目標。

オセアニア系ヒラタの中で♀を大きくするのが一番難しい気がする。デタニ、テルナテ、パプアは出ているのに…。♂のサイズから考えると意外。30up出たら伝わらない自慢をすることにしよっと。

ギラファノコギリクワガタ 亜種keisukei スンバワ島産 WF1 飼育記

ギラファノコギリクワガタ 亜種keisukei

Prosopocoilus giraffa keisukei Mizunuma et Nagai, 1991

スンバワ島産

 

1.はじめに

言わずと知れたギラファ最大亜種。その中でもフローレス産はもっとも大型になり、ロンボクはやや光沢がありサイクルも早い(らしい)。フローレス、ロンボクに次いで見かけるのがこのスンバワ産ですが、これといって特徴が思い浮かびません。じゃあなんで買ったの?と言われると、気が触れていたとしか…。でも、スンバワって単語、いい響きじゃないですか?声に出して読みたい日本語ランキング第281位くらいだと思います。それくらい魅力的。

90ミリちょうど。ギラファはやっぱりカッコいい。

触角の躍動感がすごい。

 

2.飼育記

2-1.2022年5月25日 ペアリング~産卵セット

大分からはるばるやってきましたが、到着後即合体するほど元気。これは産んでくれそう…

ふつうのノコギリセット。

1週間くらいで卵を確認。いいことだ…。

 

2-2.2022年7月12日 割出

20頭くらいとれたらしい。並行して飼育してるボロブよりも熱量が少ないのは秘密。

 

2-3.2022年9月27日 ボトル交換

流石にボロブドゥールよりは大きい。100超えてくれたらいいなぁ…くらいの意識の低さ。

後日クソ暴れしてブチ切れました。

 

2-4.2023年1月5日 ♀羽化開始

う~ん早い!とりあえず50upはしてくれたのでok。♂が極端に遅れなければいいのですが。

せっかくボロブドゥールの♀も手元にいたので比較。

スマートな方がケイスケ、丸っこい方がボロブドゥールです。撮影サボってますが体の厚みも異なり、ボロブドゥールのほうが明らかに体高が高いです。どっちがどっちでしょ~~~か

 

2-5.2023年3月10日 ♂蛹化

ついに♂が蛹化開始。♀の羽化から極端に遅れることはなく一安心。

ボロブドゥールの蛹に見慣れるとすごく大きく感じます。これでも推定100up程度なので特別大きいわけではないんですよね。恐ろしい虫だ…。

 

2-6.2023年4月30日 ♂羽化

待望の羽化。重厚感がすさまじい!!!ずっしりきてます。

実は人生で初めて羽化させた100upの虫です。これ自分で羽化させたんだよな…かっこいいなぁ…と思わず初心に帰ってしまいました。

こんなことができるのも飼育の醍醐味。最高かよ。
(2匹ボロブドゥールだけど)

 

3.羽化個体紹介

♂①104.3mm PGK-SWF1-02

2022年7月12日 エレメント800

2022年9月27日 エレメント1400 31.2g

2023年4月30日 羽化

蛹体重27.5g

 

♂②101.7mm PGK-SWF1-04

2022年7月12日 エレメント800

2022年9月27日 エレメント1400

2023年6月15日 羽化

蛹体重25.7g

写真撮り忘れ

 

♂③109.1mm PGK-SWF1-06

2022年7月12日 恵栽園マット@800

2022年9月27日 DOS3次@2300 18.2g

2023年6月20日 羽化

蛹体重29.1g

 

当サイクル最大個体。惜しくも110の大台に届かず。

 

♂④108.4mm PGK-SWF1-08

2023年8月31日 羽化確認

写真撮り忘れ&データ紛失!!!(あほ)

 

♂⑤104.1mm PGK-SWF1-10

2022年7月28日 エレメント800

2022年9月27日 エレメント1400 19.5g

2023年5月19日 羽化

蛹体重27.9g

 

♀①49.0mm PGK-SWF1-01

2022年7月12日 エレメント800

2022年9月27日 DOS3次@800 18.8g

2023年1月5日 羽化

 

♀②47.0mm PGK-SWF1-03

2022年7月12日 エレメント800

2022年9月27日 DOS3次@800 17.2g

2023年1月8日 羽化

 

♀③48.1mm PGK-SWF1-05

2022年7月12日 恵栽園マット@800

2022年9月27日 DOS3次@800 18.2g

2023年1月15日 羽化確認

 

♀④47.3mm PGK-SWF1-07

2022年7月12日 恵栽園マット@800

2022年9月27日 DOS3次@800 15.8g

2023年1月17日 羽化

 

♀⑤48.2mm PGK-SWF1-09

2022年7月28日 エレメント800

2022年9月27日 DOS3次@800 9.6g

2023年2月17日 羽化

蛹体重9.2g

 

♀⑥50.3mm PGK-SWF1-12

2022年7月28日 エレメント800

2023年1月14日 羽化

 

4.所感

無事すべての♂が100upで羽化してくれました。というか、普通に飼育していれば100は軽く超えてくるんじゃないかと思います。

最大個体は109と惜しくも110に届かずでしたが、安価なマットだけでこのサイズが出てくるのはギラファノコギリという種族のポテンシャルの高さを感じさせます。でもフローレス産なら110いってたよねきっと。なので実質「勝ち」。

ボロブドゥールほどではないにしても羽化まで思いのほか早かったです。このサイズの虫がコンスタントに見られるのは実に魅力的です。

飼育継続したかったのですが、残念ながらF2の採卵に失敗したので解散。いずれフローレス産で110upにリベンジ、あわよくば115upを作出したいです。

夏のイベントで主力商品になってたから増えなくて悲しかったのは秘密だ!

カワムラサビクワガタ WF1 飼育記

カワムラサビクワガタ

Dorcus kawamurai Fujita, 2010

インド ウェストベンガル カリンポン産

 

 

1.はじめに

「ドルクスのサビは、30mmを超えないのでレコード対象外」

私はずっとそう思っていました。厳密にはヤマトサビがいるけどハードルが高すぎる

しかし、サビ有識者の方とお話しした際に「カワムラ(とウルスルス)は30行けると思いますよ!」と助言をいただきました。それならやってやろうじゃないか!と思い立ち探し始めましたが…こういう時に限って見つからない。そんな折、オクにワイルド個体が出品されました。

「ワイルドか…絶対値段上がるよな…。しかしフレッシュな血という莫大なメリットが…。いやいや♀単やぞ、そしてそもそも本当にカワムラなのか…?う~ん…う~ん…う~~~ん………」

買っちゃった♪

後日色々と真っ白になったのは言うまでもない

無事生着。

うん。

うん。

わからん!w

 

全体的に細長く、ケツがシュッとしており、アゴの付け根も細いのでたぶん…カワムラで合っていると思いますが、いかんせん実物見るの初めてなのでわかりません。♂は内歯がへら状になるので♀よりも別種との違いがわかりやすい

とにもかくにも幼虫採れなきゃ始まらないので…がんばります。

 

2.飼育記

2-1.2022年8月20日 産卵セット

パン屋さんとカワラ材を使用した、本種には贅沢なセット。

値段が値段だったのでかなり畏れながらセットしていた記憶。

 

2-2.2022年9月 産卵~孵化確認

9月5日、我慢できずに試し割りをしてみると卵が!!!

丸く膨らんでおり、孵りそうな見た目をしていますが果たして…

やった!!!孵った!!!

採卵から2週間後、無事に孵化を確認しました。意気揚々とボトルへ投入。

後日、若干数を追加し幼虫は計10頭程度。

 

2-3.2022年12月28日 追加割出

保管していた産卵セットに幼虫が見えたので割ってみると、初齢~3齢と各ステージ出てきました。しばらくダラダラ産んでくれていたようです。嬉しい!こんなんなんぼあってもいいですからね。

 

2-4.2023年1月25日 最終割出

先に割り出していた組は順調に成長していました。心なしか、同時期に飼育しているウルスルスサビの幼虫よりも大きいように見えます。

産卵セットを覗くとまた幼虫が見えたので割り出したところ、めっちゃでてきました…。

流石に♀はお陀仏でしたが、持腹でよくぞここまで子孫を残してくれたものです。

 

2-5.2023年4月20日 蛹化

ついに蛹化。立派そうな雄です。

この段階だと、まだ内歯形状はわかりませんね。体型はかなり細いのでカワムラサビで合っていると思いますが…。羽化が楽しみです。

 

2-6.2023年5月18日 羽化

無事に羽化。内歯はへら状で、カワムラサビの特徴がしっかりでています。やったぜ!!

 

3.羽化個体紹介

夏忙しくて(言い訳)個別写真撮影かなりサボってます。

 

♂①27.8mm DK-S-WF1-01

2022年9月20日 恵栽園マット@500 初齢

2023年5月19日 羽化

蛹体重1.4g

 

♂②29.0mm DK-S-WF1-04

2022年10月30日 恵栽園マット@500 初齢

2023年6月9日 羽化

蛹体重1.5g

実質当サイクル最大個体。まずまずといったところでしょうか。

 

♂③28.2mm DK-S-WF1-06

2022年10月30日 恵栽園マット@500 初齢

2023年6月5日 羽化

蛹体重1.4g

 

♂④28.1mm DK-S-WF1-07

2022年12月18日 恵栽園マット@500 3齢

2023年5月23日 羽化

蛹体重1.5g

 

♂⑤28.3mm DK-S-WF1-18

2023年1月26日 怪物くん@500 2齢

2023年6月25日 羽化

蛹体重1.5g

 

♂⑥28.2mm DK-S-WF1-19

2023年1月26日 怪物くん@500 2齢

2023年6月22日 羽化

蛹体重1.5g

 

♂⑦28.2mm DK-S-WF1-21

2023年1月26日 怪物くん@500 2齢

2023年6月22日 羽化

蛹体重1.5g

 

♂⑧28.4mm DK-S-WF1-23

2023年1月26日 怪物くん@500 2齢

2023年6月16日 羽化

蛹体重1.4g

 

♂⑨27.5mm DK-S-WF1-24

2023年1月26日 怪物くん@500 2齢

2023年6月20日 羽化

蛹体重1.3g

 

♂⑩28.2mm DK-S-WF1-28

2023年1月26日 恵栽園マット@500 2齢

2023年6月20日 羽化

蛹体重1.5g

 

♂⑪28.8mm DK-S-WF1-31

2022年1月26日 恵栽園マット@500 2齢

2023年6月16日 羽化

蛹体重1.5g

 

♂⑫28.4mm DK-S-WF1-32

2023年1月26日 恵栽園マット@500 2齢

2023年6月9日 羽化

蛹体重1.5g

 

♂⑬28.1mm DK-S-WF1-33

2023年1月26日 恵栽園マット@500 2齢

2023年6月11日 羽化

蛹体重1.4g

 

♂⑭28.7mm DK-S-WF1-34

2023年1月26日 恵栽園マット@500 2齢

2023年6月11日 羽化

蛹体重1.5g

 

♂⑮28.0mm DK-S-WF1-36

2023年1月26日 恵栽園マット@500 2齢

2023年6月20日 羽化

蛹体重1.4g

写真撮り忘れ

 

♂⑯26.4mm DK-S-WF1-37

2023年1月26日 恵栽園マット@500 初齢

2023年7月3日 羽化

写真撮り忘れ

 

♂⑰25.5mm DK-S-WF1-38

2023年1月26日 恵栽園マット@500 初齢

2023年6月20日 羽化

写真撮り忘れ

 

♂⑱26.8mm DK-S-WF1-39

2023年1月26日 恵栽園マット@500 初齢

2023年6月30日 羽化

写真撮り忘れ

 

♂⑲26.8mm DK-S-WF1-40

2023年1月26日 恵栽園マット@500 初齢

2023年7月2日 羽化

蛹体重1.2g

 

♂⑳26.3mm DK-S-WF1-42

2023年1月26日 恵栽園マット@500 初齢

2023年6月29日 羽化

写真撮り忘れ

 

(♂29.1mm) DK-S-WF1-08

2022年12月29日 怪物くん@500 2齢

2023年6月22日 羽化

蛹体重1.6g

 

唯一蛹体重が1.6gあった個体だが、見るも無惨な不全個体になってしまった…。

 

♀①25.6mm DK-S-WF1-02

2022年9月29日 恵栽園マット@500 初齢

2023年6月11日 羽化

背面写真撮り忘れ。なぜかノギ写はあった

 

♀②24.4mm DK-S-WF1-03

2022年10月30日 恵栽園マット@500 初齢

2023年5月30日 羽化

 

♀③24.8mm DK-S-WF1-10

2022年12月29日 怪物くん@500 初齢

2023年6月5日 羽化

 

♀④24.8mm DK-S-WF1-11

2022年12月29日 怪物くん@500 2齢

2023年6月7日 羽化

 

♀⑤24.4mm DK-S-WF1-12

2022年12月29日 怪物くん@500 2齢

2023年6月13日 羽化

 

♀⑥25.1mm DK-S-WF1-13

2022年12月29日 怪物くん@500 初齢

2023年6月16日 羽化

腹部はみ出し

 

♀⑦24.3mm DK-S-WF1-14

2022年12月29日 怪物くん@500 初齢

2023年6月13日 羽化

 

♀⑧23.9mm DK-S-WF1-15

2022年12月29日 怪物くん@500 初齢

2023年6月13日 羽化

 

♀⑨23.8mm DK-S-WF1-16

2022年12月29日 怪物くん@500 初齢

2023年6月8日 羽化

 

♀⑩24.6mm DK-S-WF1-17

2022年12月29日 怪物くん@500 初齢

2023年7月4日 羽化

 

♀⑪26.1mm DK-S-WF1-20

2023年1月26日 怪物くん@500 2齢

2023年6月23日 羽化

 

当サイクル最大♀。26ミリ台なんてほかのサビなら「♂の」見れるサイズですよ…でかすぎる。

 

♀⑫24.0mm DK-S-WF1-22

2023年1月26日 怪物くん@500 2齢

2023年6月20日 羽化

写真撮り忘れ

 

♀⑬24.0mm DK-S-WF1-25

2023年1月26日 怪物くん@500 初齢

2023年6月16日 羽化

 

♀⑭24.3mm DK-S-WF1-26

2023年1月26日 恵栽園マット@500 2齢

2023年6月16日 羽化

 

♀⑮24.8mm DK-S-WF1-29

2023年1月26日 恵栽園マット@500 2齢

2023年6月6日 羽化

 

♀⑯24.3mm DK-S-WF1-30

2023年1月26日 恵栽園マット@500 2齢

2023年6月11日 羽化

 

♀⑰23.5mm DK-S-WF1-35

2023年1月26日 恵栽園マット@500 初齢

2023年6月16日 羽化

 

♀⑱23.6mm DK-S-WF1-T01

2023年1月26日 恵栽園マット@500 3齢×3頭

2023年6月4日 羽化

写真撮り忘れ

 

♀⑲22.8mm DK-S-WF1-T02

2023年1月26日 恵栽園マット@500 3齢×3頭

2023年6月12日 羽化

写真撮り忘れ

 

♀⑳23.3mm DK-S-WF1-T03

2023年1月26日 恵栽園マット@500 3齢×3頭

2023年6月30日 羽化確認

写真撮り忘れ

 

♀㉑24.2mm DK-S-WF1-X01

2022年10月5日 採卵

恵栽園マット@500 初齢

2023年6月2日 羽化

 

4.所感

ドルクスのサビってこんなに大きくなるのか!!とびっくり。28ミリ台がゴロゴロなんて、ほかのサビではそうそうないです。種としてのポテンシャルが頭一つ抜けているんだと思います。幼虫明らかに大きかったし。

抜けたサイズがいないということは、28ミリ台は決して大型とは言えないのかもしれません。飼育の改善が必要ですね…。累代を続けていれば遠からず30ミリに達しそうな予感がします。

本種は比較的細身の体形が特徴とのことでしたが、前情報とは裏腹に重厚感が魅力のクワガタであると感じました。体高が高くかなり厚みがあります。焦げ茶のビロードチックな体も相まって小型種らしからぬ存在感が素晴らしい。

強者の知り合い含めけっこういろいろなところにばらまいたので、ライバルを増やした形になりましたが、私が最強なので負けません。かかってこいよ、ぶちのめしたるわ。

次こそはレコードに外国産サビクワガタを登録する!!!と気合を入れて、当然飼育継続。

 

以下ブリードメモ。

・ドルクスのサビは高確率で持腹産卵可能っぽい。

・柔らかめの材が埋まってさえいればかなり簡素なセットでいい。健康な♀なら40~50の産卵はザラ。

・けっこう子食いする。

・幼虫の食性は強いが、高添加はあまり得意ではなさそう。

・低温飼育は可能だが、適しているかは微妙。

グランディスオオクワガタ 亜種moriyai インド産 WF6 飼育記

ランディスオオクワガタ

Dorcus grandis moriyai Nagai, 2005

インド マニプール チュラチャンプル産

 

所謂インドグランディス。突き出した鋭利なアゴがとてもカッコいい。

いつかは手に取ってみたいと思っていたグランディス、仙台のビーオンで安く委託に出ていたので買ってしまいました。

前胸もちゃんとモリヤです。

2021年羽化なのでブリードにはいい時期でしょう!(購入時2022年春)

♂66ミリ、♀46ミリ。これは超えないといけませんね…。

 

 

1.飼育記

1-1.2022年5月27日 産卵セット

数日の同居後、産卵セット。堅めのカワラ材2本転がし。なぜか♀の後脚フセツ1本飛んでました…。

 

1-2.2022年8月2日 割出

6頭。クセありと言われるグランディスの幼虫が採れただけでもめちゃくちゃ嬉しいです。採れた幼虫はエレメント800へ投入。

 

1-3.2022年10月15日 ボトル交換

国産オオと比べると…めっちゃデカい!なにぶん、オオクワ系は北海道と岩手のオオクワしか飼育したことがないもので。オオクワ系の幼虫ってこんなに巨大になるんや…と感嘆。

♀は800、♂は1400へ。

 

1-4.2023年1月15日 ♀蛹化

いや~ドルクスって成長早いですな。そして国産オオを見慣れた目には立派な蛹。親の46は超えたと思いたいが…。

後日、蛹室にキノコが生えてしまったので除去するついでに蛹体重を測定。

♂も早い個体は蛹室作ってました。

 

1-5.2023年2月10日 ♂蛹化

ついに待望の♂が蛹化。鋭く尖ったグランディスらしい大アゴがとてもカッコいいです。

 

1-6.2023年3月10日 ♀羽化

50ミリには達していなさそうですが、とりあえず親越えしてくれたようで安心。

血統物でない国産オオの♀と比べるととても立派です。

 

1-7.2023年4月10日 ♂羽化

♀から少し遅れて♂も羽化開始。こりゃカッコいいですねぇ!

 

2.羽化個体紹介

♂①76.5mm DGM-IWF6-01

2022年8月2日 エレメント800 2齢

2022年10月13日 エレメント1400 29.7g

2023年4月10日 羽化

蛹体重22.3g

ぐちゃぐちゃの蛹だった個体。アゴのゆがみはあるものの、それ以外はほぼほぼ完品なのがすごい。存外、”羽化力”が強い虫なのかも。

 

♂②79.2mm DGM-IWF6-02

2022年8月2日 エレメント800 2齢

2022年10月13日 エレメント1400 32.5g

2023年6月21日 羽化

蛹体重23.6g

 

最大個体。80ミリに届かず。残念。

 

♂③76.3mm DGM-IWF6-04

2022年8月2日 エレメント800 初齢

2022年9月27日 エレメント1400 23.1g

2023年4月10日 羽化

蛹体重21.3g

 

♂④77.1mm DGM-IWF6-06

2022年8月2日 エレメント800 2齢

2022年10月13日 エレメント1400 20.6g

2023年6月24日 羽化

蛹体重21.9g

 

♀①49.9mm DGM-IWF6-03

2022年8月2日 エレメント800 2齢

2022年10月13日 エレメント800 17.7g

2023年3月12日 羽化

蛹体重10.5g

 

♀②50.0mm DGM-IWF6-05

2022年8月2日 エレメント800 初齢

2022年10月13日 エレメント800 16.2g

2023年3月10日 羽化

蛹体重10.6g

左後脚脛節から麻痺

 

3.所感

親がかなり小さかった割にはまくった方だと思いますが、やっぱり80ミリに達しないと悔しいですね。とはいえグランディスらしいシャープなアゴとがっちりとした体を拝むことができたのは満足です。

どうせサイズアップを目指すなら血統物を飼育してみてもいいかなと思うので、いったん本種の飼育はストップします。いつか必ずリベンジするぞ!!

セリコルニスノコギリクワガタ WF1 飼育記

セリコルニスノコギリクワガタ

Prosopocoilus serricornis (Latreille, 1817)

マダガスカル ムラマンガ産

 

マダガスカル島特産のノコギリクワガタ。ユミツノ系ノコギリの中ではおそらくもっとも大型になる種。体色は黒一色とシンプルですが、アゴの形は短歯、中歯、長歯それぞれに趣がありとても面白い虫です(参考:ビークワ79号)。私は中歯が一番好みです。アゴ先の反り返りがすけべ

 

 

1.はじめに

2022年の冬、突如としてワイルドの入荷がありました。へクソドンの入荷があったなどフラグは立っていたかも

少し時が経って2022年の4月、運よく♀単を入手できたので、きっちり増やしたいところ。国内から絶えてた種類なので緊張します。種持ってるといいんですが…。ペアは高すぎてとても手が出ませんでした。

29.8ミリ。寸詰まり体形。太ったブッダノコギリみたい。おそらくセリコルニスで間違いないでしょう。

産地のムラマンガ(Moramanga)はケッペンの気候区分温暖冬季少雨気候(Cw)に属する温帯です。涼しい時期よりは蒸し暑い時期が長く、平均最高気温は27℃ほど。冬でもある程度温暖で、最高気温は20度に達する日も少なくないようです。寒い日の最低気温は一桁台まで下がるみたいですが。あれ、日本より断然過ごしやすい?

雨季、乾季がはっきりしている気候はマダガスカルらしいですね。

気候から推察するに、本種はある程度の低温耐性を持っているものと思います。

引用:Moramanga Climate, Weather By Month, Average Temperature (Madagascar) - Weather Spark

華氏温度わかりにくいですね。鬼畜米許すまじ

 

2.飼育記

2-1.2022年4月25日 産卵セット

よくある材埋め込みセットですが、材産み傾向が強いことを意識して材側面のマットはふんわり。

3日後(4月28日)には産卵痕を確認。

月をまたいで5月2日、無事卵を確認!!

経過観察を目的として採卵。

頼むから孵化してくれぇ~~~

 

2-2.2022年5月17日 孵化

うおぉぉぉぉいやったあぁぁぁぁぁぁあ~~~~~~!!!!!!

無事、持腹で幼虫が得られました!めちゃくちゃ嬉しいです。

もう少し養生してからボトルに移そうと思います。

産卵セットの方もたくさん孵化しているようです。幼虫は小さそうなので割出は後日にまわします。

既に産卵セットから抜いていた♀を再セット(6月13日)。

この虫は無限に採るに越したことはないでしょう。

 

4.2022年6月27日 割出

先に採卵した分と合わせてそこそこ採れました。累代には十分な数が得られたのでひとまず満足です。

大丈夫そうなものからマットとカワラ菌糸へ投入。

 

2-3.2022年9月17日 二回目割出

ハイ放置しました。最初の熱量はどこへやら。完全に怠慢、慢心。先に十分な量採れてたしまぁいいか。

手遅れのもいますがマットへ投入。あっと言う間に蛹化しそうです。

 

2-4.2022年9月20日 ♀蛹化

最初の方にマットに投入した♀が蛹化。別に大きくはないですが、蛹化1号は何でも嬉しいものです。

 

2-5.2022年10月11日 ♀羽化、♂蛹化

♀が羽化しました。ひとまず親は超えてくれたようです。丸っこくてかわいらしいですね…。

♂も蛹化開始。おそらく中歯です。

本当にいい形してます。蛹の時点でわかる、アゴの反り返り。えっち!

ボトル越しでもわかる、スケベなアゴ。素晴らしいです。

クソ暴れしたのは許さん

 

2-6.2022年11月4日 ♂羽化

ど!す!け!べ!え!っ!ち!む!す!優!勝!

最強です。本当にありがとうございます。

そしてノギスあてて絶望するまでがワンセット。夏場の温度管理サボったのが悪い

 

3.羽化個体紹介

♂①42.3mm PSWF1-01

2022年6月11日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2022年11月14日 羽化

 

♂②47.6mm PSWF1-02

2022年6月11日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2022年11月3日 羽化

蛹体重5.1g

 

♂③43.7mm PSWF1-04

2022年6月11日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2022年11月28日 羽化確認

 

♂④47.2mm PSWF1-09

2022年6月14日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 10.3g

2022年12月上旬 羽化

 

♂⑤51.4mm PSWF1-10

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年12月上旬 羽化

蛹体重6.6g

 

♂⑥52.1mm PSWF1-11

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年12月12日 羽化

蛹体重7.0g

右上翅ピンホール

 

♂⑦50.6mm PSWF1-13

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年12月上旬 羽化

蛹体重6.6g

 

♂⑧48.8mm PSWF1-14

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2023年1月2日 羽化

蛹体重6.0g

 

♂⑨51.0mm PSWF1-15

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年12月上旬 羽化

蛹体重6.5g

 

♂⑩53.0mm PSWF1-16

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年12月上旬 羽化

蛹体重7.0g

当サイクル最大個体。

 

♂⑪51.6mm PSWF1-17

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年12月上旬 羽化

蛹体重6.7g

 

♂⑫52.0mm PSWF1-20

2022年6月19日 採卵

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月29日 羽化

蛹体重 7.0g

上翅シワ

 

♂⑬47.5mm PSWF1-24

2022年6月27日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年1月2日 羽化

蛹体重5.3g

 

♂⑭50.4mm PSWF1-25

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 2齢

2023年2月12日 羽化

蛹体重5.7g

 

♂⑮49.6mm PSWF1-26

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 2齢

2023年2月12日 羽化

蛹体重5.9g

 

♂⑯51.6mm PSWF1-27

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 2齢

2023年2月25日 羽化

蛹体重5.8g

写真撮り忘れ。

 

♂⑰50.7mm PSWF1-28

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 2齢

2023年2月15日 羽化

蛹体重6.0g

 

♂⑱48.6mm PSWF1-29

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年3月30日 羽化

蛹体重5.2g

 

♂⑲48.7mm PSWF1-30

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年5月29日 羽化

 

♂⑳48.8mm PSWF1-31

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年5月22日 羽化

 

♂㉑47.8mm PSWF1-32

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年3月22日 羽化

蛹体重5.2g

 

♂㉒38.7mm PSWF1-34

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年5月19日 羽化

 

(♂☆ PSWF1-22)

2022年6月19日 採卵

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月3日 恵栽園マット+黒土@800ボトル 11.1g

蛹体重7.7g

推定54ミリほど。最大個体になる予定だった…。

 

やや幅が出るノコギリのためか、マイナーヒラタほどではないにしても蛹体重がアテになりません。

 

♀①29.8mm PSWF1-03

2022年6月11日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2022年10月28日 羽化

 

♀②32.3mm PSWF1-05

2022年6月11日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2022年10月11日 羽化

蛹体重3.1g

 

♀③30.2mm PSWF1-07

2022年6月11日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2022年10月17日 羽化

 

♀④33.4mm PSWF1-08

2022年6月14日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月10日 羽化

 

♀⑤34.7mm PSWF1-12

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月10日 羽化

 

♀⑥37.5mm PSWF1-18

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月11日 羽化

 

当サイクル最大♀。次点が35.3ミリなので、頭二つ抜けてます。

2024年♀レコード掲載いただきました。やったね!

ついでにチビブルイジンも。

思ったより評価低かった。ブルイジンは思ったより高かった

 

♀⑦35.3mm PSWF1-21

2022年6月19日 採卵

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月11日 羽化

蛹体重 3.9g

 

♀⑧34.4mm PSWF1-23

2022年6月19日 採卵

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月24日 羽化

 

♀⑨31.1mm PSWF1-33

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年2月6日 羽化

 

♀⑩32.1mm PSWF1-35

2022年9月17日 恵栽園マット@500ボトル 3齢

2022年12月26日 羽化

 

♀⑪30.5mm PSWF1-36

2022年9月17日 恵栽園マット@500ボトル 3齢

2022年12月14日 羽化

 

♀⑫31.3mm PSWF1-37

2022年9月17日 恵栽園マット@500ボトル 3齢

2022年12月14日 羽化

 

4.所感

♀はともかく♂に関しては散々な飼育内容です。降温をしていないという致命的なミス。だって忙しかったんだもん…(言い訳)。せめてもの抵抗でコンテナ最下段には置いてた

加えてカワラ組の暴れを全く抑えられなかったのも下手すぎます。猛省してます

それでも手っ取り早く大きくするならカワラが有効な可能性が高いことまではわかりました。

とはいえ無事にワンサイクルまわって一安心です。♀単スタートから♂が出てくるとテンションの上がり幅が違いますね。サイズに目をつむれば形はめちゃくちゃカッコいいので好感度が爆上がりです。あと♀レコとれて嬉しい。♂より先に♀が登録されてしまった…。53ミリ程度じゃ応募できないもん。もっとでかいの応募してる人いると、思うじゃん?

次は55upを、あわよくば長歯を狙います。飼育自体はとても簡単で、既に次世代が多数得られています。がんばるぞい!

 

以下ブリードメモ。

・休眠期間にムラあり。2か月~半年。活動後の寿命は長くもなく短くもなく、だいたい半年くらい。

・産卵は恐ろしく簡単。基本材産みだが、スイッチが入るとマットへも狂ったように産み始める。

・幼虫は「オパクスの死なない版」みたいな感じの気がする。