きれいで簡単にふえるやつがすき

趣味で飼育しているクワガタの飼育記録を投稿します。小型種多め。

【HB検証】ノズノコギリ×フランシスノコギリ ハイブリッド 飼育記

注意

この記事はハイブリッドの作成を推奨する記事ではありません。あくまで検証として異種間交配を行っています。命に対する責任を自己完結できない方は、くれぐれも面白半分でマネしないようお願い申し上げます。

 

 

1.はじめに

2022年某日…

へぇ~~~、ノズノコギリって長歯おるんや~~~知らんかったな~~~

 

 

 

 

 

そんなわけねぇじゃん!!!

(Cv. 松岡修造)

 

・頭楯の形状がノズノコギリと異なる

・眼縁突起がノズノコギリにしては長すぎる

・体形がノズノコギリにしては細すぎる

・前胸側縁は膨らまずノズノコギリの特徴に合致しない

・内歯の位置がノズノコギリにしては下がり気味

・大腮基部に2つ隆起が出るのはフランシスノコギリの特徴

 

以上の特徴から、当該個体はノズノコギリクワガタProsopocoilus nozui)ではなく、ノズノコギリクワガタとフランシスノコギリクワガタ(Prosopocoilus francisi)のハイブリッドである可能性が高いと判断しました(オタク特有の早口)。大図鑑やビークワ79号など資料をお持ちの方は、是非お手元でご覧になっていただければと思います。

ノズノコギリとフランシスノコギリはかなり近縁と思われますので、交雑できても不思議ではありません。

参考:フランシスノコギリ(左)とノズノコギリ(右)

もうちょっといい比較写真があればいいのですが、こいつらは動き回るのでまともに写真を撮らせてもらえません…

 

とはいえ、ハイブリッドと断言することもできないのは事実です。そもそも、いくら近縁とはいえノズノコギリとフランシスノコギリは交雑するのか、という点について報告されているのを少なくとも私は見たことがありません。

 

 

 

 

 

じゃあ自分で試せばいっか♪

ちょうど手元にノズもフランシスもいるしね♪

 

というわけで、もやもやを解消するため交雑実験を実行することにしました。

 

2.産卵セット

2022年4月20日、都合よく余っていたノズノコギリの♂とフランシスノコギリの♀でペアリング。

翌日には交尾を確認。

交尾も確認したので早速セット。材埋め込みの普通のセットです。

 

3.割出

セットしてからおよそ1か月後、卵が見えました。丸く膨らんでおり、孵化しそうに見えますが果たして…。

 

2022年7月11日、7頭と少ないながらも幼虫を得ることができました!!!

羽化が楽しみすぎます。

恵栽園マット@パン屋さんに全頭まとめて投入。

 

4.♀羽化

2022年10月29日、♀の羽化を確認。我慢できずに掘り出してしまいました。

おっ。

体形は細めで、かなりフランシスノコギリ寄りの個体が羽化しました(ノズノコギリはより小型で丸っこい形をしています)。

テネラルとはいえ、赤みのある体色もフランシスノコギリらしさを助長しています。

♂はどうなるのか、楽しみでなりません。

 

5.♂羽化

♀の羽化からおよそ1か月後の2022年11月28日、ついに♂の羽化を確認!

こちらも我慢できずに掘り出し。いったいどんな形をしているのでしょうか。

 

 

これは!!!

頭楯、眼縁突起ともにノズとフランシスの中間的な特徴を有しています。まぎれもないハイブリッドです。

体形は細身ではありますが、フランシスにしてはがっしりとしており、かなり変わっています。

大腮の形状は明らかにフランシスのそれと異なります。同じくらいの体格のフランシスノコギリはよりアゴが伸びます。

テネラルということで赤みが強く、前胸の紋も合わさりノズらしさが際立つ体色です。固まってからどの程度赤みが残るのか楽しみです。ノズでも黒っぽいのはいますけどね。

 

6.羽化個体紹介

2♂5♀が羽化。もう少し♂が多ければよりよい検証になったと思いますが、贅沢は言えませんね。

 

31.1ミリ。固まってからフランシスノコギリに近い体色になりましたが、それでもかなり赤みが残りました。脚の質感はフランシスノコギリによく似ています。

29.8ミリ。こちらの個体はさらに赤みが強く、ノズノコギリらしさがあります。

ちんぽ丸出し

 

不全が多くて泣いてしまった

全体的にフランシスノコギリらしさがありますが、フランシスノコギリにしては少し丸っこいように思います。とはいえ前置きなしで目の前に出されたら「フランシスノコギリ?」と言ってしまいそうです…。

体長は19ミリ前後で、以前フランシスノコギリが20ミリ前後、ノズノコギリが18ミリ前後ほどだったことを踏まえると、ちょうど中間のサイズで羽化してくれたことになります。

後胸腹板はすべての個体で赤みが強く、この点もフランシスノコギリらしさが際立ちました。

 

参考:フランシスノコギリ♀

 

参考:ノズノコギリ♀

 

7.まとめ

ノズノコギリ♂×フランシスノコギリ♀で交雑させると、フランシスノコギリ寄りにはなるものの、ハイブリッドらしい個体が羽化するという結果になりました。ノズノコギリとフランシスノコギリが交雑するという結果が得られただけでも収穫としては十分です。

というわけで、ノズノコギリを入手される際は実はハイブリッドだった…ということがないように、個体の特徴をよ~~~く見て購入していただければと思います。

あらためて冒頭の個体を見ると、今回羽化した個体とは形状が異なるように思います。雌雄の組み合わせが異なるか、クォーターなのではないかと推測しています。

それこそ本当はフランシスノコギリ♂×ノズノコギリ♀も試していたのですが、残念ながら産卵しませんでした。ついでに純系のフランシスノコギリも絶えました。今回の検証だけではもやもやが完全に晴れることはなかったので、機会があればリトライしてみようと思います。

また、せっかくなので今回のハイブリッドからF2が採れるかも検証するつもりです。こうご期待!

 

8.後始末

人為的に作成されたハイブリッドというのは、本来存在してはいけないものだと思っています。生み出してしまった命の始末は己でつける必要があります。生体販売などもってのほかです。

完品はF2検証に使うため残しておくとして、問題はB品…。標本価値もないに等しいでしょう。というわけで

命を頂きます。

美味しそうな飴色に揚がりました♪

味付けは塩のみ。

それでは

 

実☆食

 

まずは♀から。…サクッという心地よい触感、それでいてスナック菓子のように一瞬で消えることはありません。二噛みほどでほんのりとナッツのような風味が口に広がります。美味しい…。また、塩が最高にいいスパイスです。これ以上の調味料が思い浮かびません。

♂も♀と大きく味が変わることはありませんが、大アゴがある分より長く食感を楽しむことができます。美味しい。クワガタを食べるならやはり未後食に限りますね。

フセツ1本残さず頂けました。ごちそうさまでした。美味かった!

 

 

おしまい

ヒラズツツサイカブト WF1 飼育記

f:id:P_bison:20211106075845j:plainヒラズツツサイカブト(カンデーゼムナクボカブト)
Ceratoryctoderus candezei (Snellen Van vollenhoven, 1866)
スラウェシ島 パロロ・パル WD

 

うちでは珍しくカブトムシの記事でございます。
サイカブトのなかまらしく脚(特に跗節)が短い。いかにも穿孔性が強そうな印象。
背中の毛のさわり心地が…イイですねぇ…

f:id:P_bison:20211106075928j:plainケラトリクトデルス・キャンデゼイ
恐竜みたいな名前でめっちゃかっこよくないですか???

f:id:P_bison:20211106084234j:plain♀。平べったい。平頭筒とは言い得て妙。
近縁種にツヤヒラズツツサイカブトC. arumatus)がおり、本種に混ざって入ってきてるとかきてないとか。

 


1.2021年8月6日 産卵セット

♀を殺すこともまずないだろうということで♂♀いっしょにぶち込み。
Nマットにそこそこ黒土を混ぜ、いつもより多めに加水。ネット上の数少ない情報では水分多めが好結果につながっているようです。
黒土の保水力というか、粘り気がとてもいい感じ。黒っぽさと艶が風呂に入っていないオタクの髪によく似ており、また粘り気がオタクの口元そっくりなので、こんな感じのマットをオタクマットと呼んでいます
穿孔力が高いとみてマットは固詰め。
温度は24~25℃程度。


2.2021年9月3日 割出

f:id:P_bison:20211106092210j:plain無事10個ほど卵を得ることができました。真珠みたいでとてもきれいなのですが、画像だと伝わらないのが残念…
潰された卵もそこそこ見られたため、数を稼ぐならまめに採卵すべきかもしれません。
♂はすぐ死んだようで干からびてましたが♀は健在。というわけで再セット。


3.2021年10月20日 二回目割出

6卵2幼虫。潰したのか産んでないのか…。
幼虫飼育が未知数のため、母数を確保するべく♀にはもういっぺん頑張ってもらいます。

 

4.2021年10月20日 幼虫ボトル投入

f:id:P_bison:20211106092248j:plain
先に割り出した分は既に孵化し計7頭。かなり活発で、背面で移動する様はまるでカナブン系の幼虫のよう。
エサは800ボトルにDOS完全発酵マットと少量黒土混ぜたもの。
後日無事潜ったことを確認したので一安心。

 

5.2021年11月6日 三回目割出

♀死んどるだろうと思ってひっくり返したところ4卵回収。20~21℃くらいの場所に置いていたがまさか産んでるとは…

f:id:P_bison:20211109233803j:plain

♀は既に軽いしボロボロ。標本にはできないんで死ぬまでこき使います。

 

6.2022年1月12日 マット交換

f:id:P_bison:20220323132610j:plain

先発組のマット交換を行いました。1頭落ちていたものの、残る6頭は生存を確認でき一安心。

まだまだ幼虫を続けるだろうと思われる段階ですが、他種と比較して幼虫が非常に黄色いです。

 

7.2022年3月24日 マット交換&割りカス処理

f:id:P_bison:20220408140735j:plain

2&3回目に採卵した幼虫たちのマット交換。大半がUマットで飼育した個体。DOS完全発酵と比較すると全体的に体重の乗りがよかったです。

しかしながら小さい黒点が見受けられ少し心配。幼虫はどの個体も元気いっぱいなので何とか逃げ切り蛹化してほしいところ。

 

f:id:P_bison:20220408141010j:plain

ついでにすっかり忘れていた割りカスの処理。とうの昔に♀は死んでいたようですが、なんと幼虫が2頭出てきてびっくり。

マットの状態が酷かったせいかこちらも黒点がみられましたが、生存していただけでも大したもんです。

 

8.2022年5月2日 蛹化開始

最初の1頭が蛹化。角が目立たないため♀と思われます。孵化後8ヶ月程度で蛹化なのでカブトムシとしてはまずまず早い方なのではないでしょうか。

他の幼虫たちも後を追うように続々と蛹室を作り始めました。

♂の蛹。面白い形してますね。

 

9.2022年6月9日 羽化開始、そして…

まずは♀が羽化。我が家ではカブトムシはほぼいないので、♀でも羽化の様子を見れるのは楽しいです。

♂も続きます。

と、羽化してきた♂を眺めていると違和感が…。

やけに細く、胸角も発達している…。

これは?と思い調べてみると、やはりツヤヒラズツツサイカブト(Ceratoryctoderus  armatus)でした。

C. armatus

C. candezei

全然違いますね。思いがけず♀ガチャに当たったようです…!

形態的特徴の差異(素人見解)は最後に改めてまとめます。

 

10.羽化個体紹介

体長は頭角で計測。クワガタと比べて計測が難しいので、サイズは参考程度。

 

♂①49.6mm

CAWF1-01

2021年9月3日 採卵

2021年10月20日 DOS完全+黒土少量800

2022年1月12日 マット交換 13.1g

2022年6月28日 羽化

蛹体重12.0g

 

♂②46.3mm

CAWF1-02

2021年9月3日 採卵

2021年10月20日 DOS完全+黒土少量800

2022年1月12日 マット交換 12.5g

2022年7月9日 羽化

蛹体重11.3g

 

♂③44.5mm

CAWF1-04

2021年9月3日 採卵

2021年10月20日 DOS完全+黒土800

2022年1月12日 マット交換 11.0g

2022年6月21日 羽化

蛹10.2g

 

♂④41.1mm

CAWF1-06

2021年9月3日 採卵

2021年10月20日 DOS完全+黒土800

2022年1月12日 マット交換 9.5g

2022年6月26日 羽化

蛹体重8.6g

 

♂⑤41.8mm

CAWF1-07

2021年9月3日 採卵

2021年10月20日 DOS完全+黒土800

2022年1月12日 マット交換

2022年6月27日 羽化

データ紛失したけどチビなのでどうでもいいや

 

♂⑥54.4mm

CAWF1-08

2021年10月20日 採卵

2021年11月22日 Uマット800

2022年3月24日 マット交換 16.5g

2022年9月27日 羽化

蛹体重16.6g

最大個体。

 

♂⑦46.0mm

CAWF1-10

2021年10月20日 採卵

2021年11月22日 Uマット800

2022年3月24日 マット交換 14.8g

2022年7月29日 羽化

蛹体重12.4g

 

♂⑧51.6mm

CAWF1-12

2021年10月20日 採卵

2021年11月22日 Uマット800

2022年3月24日 マット交換 18.2g

2022年8月23日 羽化

蛹体重15.3g

形は一番カッコいいかもしれない。

 

♂⑨53.0mm

CAWF1-19

2021年11月6日 採卵

2021年12月15日 Uマット800

2022年3月24日 マット交換 9.4g

2022年10月17日 羽化

蛹体長15.8g

 

♂⑩

CAWF1-21

2022年3月24日 割出 Uマット800

蛹体重14.0g

 

♀①36.5mm

CAWF1-05

2021年9月3日 採卵

2021年10月20日 DOS完全+黒土800

2022年1月12日 マット交換

2022年6月9日 羽化

データ紛失したけど♀だしどうでもいいや

 

♀②41.8mm

CAWF1-09

2021年10月20日 採卵

2021年11月22日 Uマット800

2022年3月24日 マット交換 14.1g

2022年7月5日 羽化

蛹体重9.3g

 

♀③38.4mm

CAWF1-11

2021年10月20日 採卵

2021年11月22日 Uマット800

2022年3月24日 マット交換 12.9g

2022年7月5日 羽化

蛹体重8.4g

 

♀④39.2mm

CAWF1-13

2021年10月20日 採卵

2021年11月22日 Uマット800

2022年3月24日 マット交換 12.8g

2022年7月19日 羽化

蛹体重8.5g

 

♀⑤40.2mm

CAWF1-14

2021年10月20日 採卵

2021年11月22日 U+DOS完全800

2022年3月24日 マット交換 13.4g

2022年7月9日 羽化

蛹体重8.9g

 

♀⑥41.2mm

CAWF1-15

2021年10月20日 採卵

2021年11月22日 U+DOS完全800

2022年3月24日 マット交換

蛹体重9.2g

 

♀⑦41.5mm

CAWF1-16

2021年11月6日 採卵

2021年12月15日 Uマット800

2022年3月24日 マット交換 10.4g

2022年9月5日 羽化確認

蛹体重11.2g

 

♀⑧41.5mm

CAWF1-17

2021年11月6日 採卵

2021年12月15日 Uマット800

2022年3月24日 マット交換 10.1g

2022年8月24日 羽化

蛹体重9.7g

 

♀⑨39.7mm

CAWF1-18

2021年11月6日 採卵

2021年12月15日 Uマット800

2022年3月24日 マット交換 9.2g

2022年9月5日 羽化確認

蛹体重10.0g

 

11.所感

とにかく♀ガチャが当たったのが嬉しかったです。冒頭のコメントは完全なフラグでしたね。よく伸びた頭角と前方に突き出した胸角が本当にカッコいい…。国内でツヤヒラズ名義で生体流通したことはないのではないでしょうか。

ヒラズツツの♂と同居セットしたので一抹の不安がよぎりましたが、羽化個体の特徴を見る限り杞憂だったみたいで安心です。すぐ干からびたんやろなぁ

産卵~羽化までこれと言って難しくは感じませんでした。巷で言われているような産卵のクセも感じず、幼虫も割と強健な印象が強かったため、個人的には国産カブトよりも簡単なんじゃないかと思ってしまいました(カブト苦手人間並感)。特に、黒い痣が出てしまった幼虫が元気に成長した点で本種の生命力の強さを感じました。

幼虫飼育は安全策として無難なエサを用いましたが、より高栄養なマットでも適合するのではないかと思います。でも今の部屋で臭いマット使いたくないんですよね、どうしたものか…

容器サイズも800では手狭に感じたので、1400を使うことも視野に入れていこうかと思います。

形状の個体差が激しすぎる+体長計測が難しいため、蛹体重は全くアテになりませんでした。

最大個体は54ミリとまだまだのサイズ。55超えたらべくわに投げようと思っていたのですが、お預けになりました。次サイクルで頑張ります。

血の入れ替えしようと思ったらヒラズガチャをひたすら引き続けないといけないらしいです。クソゲーかな?

 

12.おまけ 形態比較

ヒラズツツサイカブト(C. candezei)とツヤヒラズツツサイカブト(C. armatus)は外見がよく似ており、野外品は混ざって入ってきているようです。実際私も最初はヒラズツツサイカブトとして入手し、羽化するまで全く気づきませんでしたので…

一素人の個人的な見解ではありますが、ヒラズガチャを引こうという変態諸兄の参考になればということで、ヒラズーツヤヒラズの形態的差異をまとめておきます。

 

ヒラズ

・体形は幅広い

・胸角は裁断状で突き出さない

・胸部の凹部外縁は四角形寄りの形状

・頭角は短く、先端中央で強く湾入する

 

ツヤヒラズ

・体形は比較的細長い

・胸角は強く突き出す

・胸部の凹部外縁は中央にかけてすぼみやすい

・頭角は長く、先端中央は緩やかに弧を描き浅く凹む

・頭角は中央で隆起する

 

小型個体でも胸角の突き出しなどは顕著にみられたので、♂の見分けはそれほど難しくないと思います。

 

ヒラズ

・胸部~小楯板の点刻は粗く、小楯板上の点刻は密

・前脚の形状(後述)

 

ツヤヒラズ

・胸部~小楯板の点刻は細かく、小楯板上の点刻はまばら

・前脚の形状(後述)

 

♀は正直ここが違う!と断言することが難しいです。ただ、前脚脛節に以下のような違いが見られたような気がしました。

字汚すぎて草

ヒラズの方は野外品のため、擦れた可能性が否めないのが気がかりですが…

野外品を買われた際の参考になれば幸いです。

 

あぁ記載文が読みたいなぁ!

スクアリドゥスソリアシサビクワガタ エンガノ島産 WF1 飼育記

スクアリドゥスソリアシサビクワガタ

Gnaphaloryx squalidus ericsoni Boileau, 1911

アゴが左右非対称になるソリアシサビクワガタ属の中でも、とりわけアシンメトリーが顕著な種類だと思います。

マレー半島~ジャワにかけて生息しており、2亜種に分けられています。エンガノ島産は図鑑に掲載されていませんが、形態的にも地理的にも、現段階では亜種ericsoniとするのが妥当と思います。ericsoniはジャワの原名亜種と比べ頭楯が幅広いことが主な特徴で、右アゴの内歯形状も異なるようです。その他細かい差異は知りません

サビクワの名に恥じぬ錆びっぷりです。個人的には錆を通り越して金に見えてしまいます(嗜好補正)。本当に独特の質感をしています。

思いのほか立体感がありとてもカッコいいのですが、画像だとうまく伝わらないのが非常に残念です。実物カッコいいのに写真写りが悪い虫っていますよね。個人的にはブケットフタマタ、デハーンホソアカなどが思い浮かびます。

運よく野外品を入手できたので気合を入れて飼育していきます。

 

 

1.2022年4月18日 産卵セット

マットにバクテリア材埋めたふつうのセットですが、周囲は固めないようにしました。

後日もう1ペア追加してそれも4月25日にセット。

1か月後に無事卵を発見。

 

2.2022年6月11日 割出

14幼虫採れたらしいです。一部はお世話になっているフォロワーさんへ。

別ペアは3匹しか採れず。うんち。

そのまま詰めてあったボトルへ投入。

 

3.2022年8月8日 蛹化

ぼく「サビ共どうなってるかな、ちょっと様子見るか~……………なんか(サビのボトルを置いてる)押入れ暑いな…?………もう蛹化しとる!?うわぁ…(諦観)」

というわけで完全にやらかしました。ただでさえサイクル早い虫にこれはアカン

1~2週間後の様子。あっという間に羽化してしまった…

 

4.羽化個体紹介

♂①25.0mm

(左25.6mm 右24.5mm)

GSE-A02

2022年6月11日 割出 北斗カワラ500

2022年7月21日 ほじくり様子見 幼虫体重1.6g

2022年8月20日 羽化

蛹体重0.8g

 

♂②25.5mm

(左26.0mm 右25.0mm)

GSE-A03

2022年6月11日 割出 北斗カワラ500

2022年8月16日 羽化

蛹体重0.9g

最大個体。

 

♂③25.2mm

(左25.6mm 右24.7mm)

GSE-AT01

2022年6月11日 割出 北斗カワラ800 4頭タコ部屋

2022年9月9日 羽化確認

 

♂④23.4mm

(左23.7mm 右23.4mm)

GSE-AT03

2022年6月11日 割出

2022年9月10日 羽化

蛹体重0.7g

 

♂⑤25.2mm

(左25.6mm 右24.9mm)

GSE-B02

2022年6月11日 割出 北斗カワラ500

2022年9月5日 羽化確認

蛹体重0.9g

 

♀①19.7mm

GSE-A01

2022年6月11日 割出 北斗カワラ500

2022年8月11日 羽化

♀最大個体だが後脚矮小奇形。うんち

 

♀②18.8mm

GSE-A04

2022年6月11日 割出 北斗カワラ800 2頭タコ部屋

2022年9月5日 羽化確認

 

♀③18.6mm

GSE-A05

2022年6月11日 割出 北斗カワラ800 2頭タコ部屋

2022年9月5日 羽化確認

まぁまぁひどいB品だがよくぞ羽化できたものだ、と感心

 

♀④18.3mm

GSE-AT02

2022年6月11日 割出 北斗カワラ800 4頭タコ部屋

2022年9月9日 羽化確認

 

♀⑤18.2mm

GSE-AT04

2022年6月11日 割出 北斗カワラ800 4頭タコ部屋

2022年9月9日 羽化確認

 

♀⑥19.5mm

GSE-B01

2022年6月11日 割出 北斗カワラ500

2022年9月5日 羽化確認

健全な♀では最大。

 

♀⑦18.7mm

GSE-B03

2022年6月11日 割出 北斗カワラ800

2022年9月20日 羽化

 

5.所感

オスはすべて長歯で羽化してくれたので見てくれの満足度は高いですが、いかんせん飼育を大失敗しているため、ふがいない結果と言わざるを得ません。とにかく温度が高過ぎて、羽化までマッハだったのはダメダメでした(推定25~26℃)。

最大個体は25.5mmで「スクアリドゥスソリアシサビクワガタ」という種区分では大型だと思いますが、エンガノ産に限った話をすると野外から29、26、25など大きめの♂が入荷しているため、残念ながら大型とは言えないと思います。ちなみに29落としてたんですが発送前に昇天したそうです。干物でいいから送ってくれ…(涙)

とりあえず、次回は絶対に温度を間違えないよう気を付けねば…。あとはエサの種類や水分量も再検討しようと思います。兎にも角にも幼虫採れないと始まらないので、さっさと起きてくれ~~~!!!

オパクスサビクワガタ (ソリアシサビクワガタ) WF3 飼育記

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オパクスサビクワガタ(ソリアシサビクワガタ)

Gnaphaloryx opacus Burmeister, 1847

インドネシア 東ジャワ アルゴプーロ WF2

 

言わずと知れた(???)ソリアシサビクワガタ属最大種。

なんだかんだワイルドからF2までブリードに成功し、本種に対して妙な愛着が…。そんなわけで、ブリードするにあたり以下の目標を自分の中で掲げることにしました。

 

①BE-KUWAレコードに本種を登録する

②野外レコードを超える(BE-KUWA上では37.1ミリ、確認している最大個体は38.2ミリ)

③♀で30ミリを超える

④F10までインブリードする

 

しつこくブリードしていきます。

 

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親を手に乗せてたらケンカを始めました。活性が低い種のため、思いのほかアグレッシブに闘争する様にびっくり。

 

 

1.2021年9月 産卵セット

種親サイズ:♂34.5×♀26.0、♂32.1×♀22.3

クリスラ小にカワラ材転がしただけのやる気ないセット。

なんとなく、脚反ってるタイプのメスは材埋めない方がいいような気がする(ブッダノコギリとか)。

 

2.2021年11月22日 割出

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26.0の♀からは31頭+1卵

予想の約2倍も採れてしまった…。

正直産卵数を期待していなかったので菌糸が足りず、一部はタコ部屋へ。めんどかったので小さい幼虫、卵も容赦なく菌糸へ

22.3の♀からも少しだけ採れました。

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投入後は23~24℃あたりで管理し、2齢割出組は半月ほどで18℃設定のワインセラーへ、初齢割出組は室温飼育(当時16~18℃程度)へ。

 

3.2022年3月~ タコ部屋組羽化開始

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相変わらずあっという間に羽化。

極端に小さい個体は少なかったものの天井も大したことはなく…。仕方ないですね。この時点で♀は自己ベスト更新しましたが

 

4.2022年5月~ 個別組蛹化・羽化確認

個別組のほとんどで食痕があまり出ておらず、生存確認もかねて掘り出してみると、すでに羽化しているものや蛹が出てきました。

しかしながら、思ったよりも大きくはなっておらず意気消沈…

こんなのも出てきて萎えが加速。

 

5.羽化個体紹介

♂34.5×♀26.0の子

♂①31.7mm GOWF3-A345260-02

2021年11月22日 割出 初齢 微創研オオヒラタケ微粒子850cc

2022年6月19日 羽化

前蛹2.2g

蛹体重1.9g

 

♂②30.9mm GOWF3-A345260-04

2021年11月22日 割出 2齢 微創研オオヒラタケ微粒子850cc

2022年5月13日 羽化

蛹体重1.6g

 

♂③32.5mm GOWF3-A345260-05

2021年11月22日 割出 2齢 微創研オオヒラタケ微粒子850cc

2022年5月11日 羽化

蛹体重1.9g

 

♂④28.3mm GOWF3-A345260-06

2021年11月22日 割出 初齢 微創研MT160fine850cc

2022年5月1日 羽化

蛹体重不明

 

♂⑤32.6mm GOWF3-A345260-10

2021年11月22日 割出 2齢 微創研MT160fine850cc

2022年5月4日 羽化

蛹体重1.8g

 

♂⑥34.1mm GOWF3-A345260-12

2021年11月22日 割出 初齢 微創研カワラ微粒子850cc

2022年5月27日 羽化

蛹体重2.1g

 

羽化時は完品だったのに、なぜか脚がもげるもげる…orz

 

♂⑦32.5mm GOWF3-A345260-13

2021年11月22日 割出 初齢 微創研カワラ微粒子850cc

2022年5月1日 羽化確認

蛹体重不明

 

♂⑧???mm GOWF3-A345260-14

2021年11月22日 割出 2齢 微創研カワラ微粒子850cc

2022年6月11日 羽化

蛹体重?g

 

♂⑨32.0mm GOWF3-A345260-16

2021年11月22日 割出 2齢 月夜野エレメント800cc

2022年5月1日 羽化確認

蛹体重不明

 

♂⑩33.7mm GOWF3-A345260-17

2021年11月22日 割出 2齢 月夜野エレメント800cc

2022年5月1日 羽化

蛹体重不明

 

お前普通にクヌギ食えんのかよ!!!

変に気遣ってブナ使ってたのバカみたいやん…

 

♂⑪32.1mm GOWF3-A345260-18

2021年11月22日 割出 初齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年4月16日 羽化

蛹体重1.9g

 

♂⑫21.7mm GOWF3-A345260-20

2021年11月22日 割出 初齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年4月下旬 羽化

蛹体重不明

 

両前脚欠損の奇形。幼虫の時から前脚が黒ずんでいた。

 

♂⑬24.1mm GOWF3-A345260-23

2021年11月22日 割出 初齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年3月22日 120ccカップ 幼虫体重3.5g

2022年4月26日 羽化

蛹体重1.0g

 

奇跡のダイエット。蛹化用だったとしてもそれなりにサイズのある容器に入れよう、と教訓。

 

♂⑭32.6mm GOWF3-A345260-24

2021年11月22日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年3月21日 羽化

蛹体重2.0g

 

♀①25.3mm GOWF3-A345260-07

2021年11月22日 割出 初齢 微創研MT160fine850cc

2022年6月7日 羽化

前蛹1.7g

蛹体重1.5g

 

♀②27.0mm GOWF3-A345260-08

2021年11月22日 割出 2齢 微創研MT160fine850cc

2022年5月13日 羽化

蛹体重1.7g

 

♀③28.6mm GOWF3-A345260-09

2021年11月22日 割出 2齢 微創研MT160fine850cc

2022年5月1日 羽化

蛹体重不明

 

♀最大個体。

 

♀④28.3mm GOWF3-A345260-15

2021年11月22日 割出 2齢 微創研MT160fine850cc

2022年5月1日 羽化

蛹体重1.9g

 

♀⑤24.0mm GOWF3-A345260-19

2021年11月22日 割出 初齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年4月14日 羽化

蛹体重1.3g

 

♀⑥27.1mm GOWF3-A345260-21

2021年11月22日 割出 初or2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年4月21日 羽化

前蛹2.0g

蛹体重1.8g

 

♀⑦25.1mm GOWF3-A345260-22

2021年11月22日 割出 初or2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年4月6日 羽化

蛹体重1.5g

 

♀⑧27.2mm GOWF3-A345260-25

2021年11月22日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年3月21日 羽化

蛹体重1.7g

 

♀⑨27.0mm GOWF3-A345260-26

2021年11月22日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年3月22日 羽化

蛹体重1.6g

 

♀⑩25.2mm GOWF3-A345260-28

2021年11月22日 割出 初or2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 複数頭タコ飼い

2022年4月19日 羽化

蛹体重1.5g

 

♂32.1×♀22.1の子

♂25.0mm GOWF3-A321223-06

2021年11月9日 割出 3齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年4月9日 羽化

 

♀①23.0mm GOWF3-A321223-01

2021年11月9日 割出 初齢 北斗恵栽園オオヒラタケ800cc

2022年4月19日 羽化

 

♀②27.1mm GOWF3-A321223-02

2021年11月9日 割出 初齢 北斗恵栽園オオヒラタケ800cc

2022年3月26日 羽化

 

♀③24.8mm GOWF3-A321223-03

2021年11月9日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年4月9日 羽化

蛹体重1.3g

 

♀④22.3mm GOWF3-A321223-04

2021年11月9日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年4月5日 羽化

蛹体重1.1g

 

♀⑤24.9mm GOWF3-A321223-05

2021年11月9日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年4月9日 羽化

蛹体重1.5g

 

♀⑥22.8mm GOWF3-A321223-07

2021年11月9日 割出 3齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年2月17日 羽化

 

♀⑦22.1mm GOWF3-A321223-08

2021年11月9日 割出 2齢 北斗恵栽園オオヒラタケ1400cc 3頭タコ飼い

2022年4月6日 羽化

蛹体重1.4g

右腹部はみ出し気味

 

6.各種データ

♂…15頭

平均体長???mm

中央値???mm

最大???mm

最小21.7mm

標準偏差???

小さい個体が極端に小さい=やや大きめにまとまっている傾向。いいね。

まぁ野外最大には及ばないんですが

 

♀…17頭

平均体長25.4mm

中央値25.2mm

最大28.6mm

最小22.1mm

標準偏差2.0

やや下振れだが、自己ベストを更新できたのでギリあり。

 

死亡率:4/36=11.1%

全頭菌糸に突っ込んだ割には死んでるような気もする…。

 

7.所感

温度さえいじればあっさり大型出るやろ!という甘い考えを見事に打ち砕かれました。室温飼育(冬16~18℃、春18~20℃程度)であっても半年程度で羽化してきているため、3齢後期はより低温で引っ張ってもよさそうに思いました。

今回シワタケを初めて導入しましたが、♀の最大個体が出るなど悪くなさそうです。根食い向きとの触れ込みで少しだけ不安だったものの、カワラタケと少し似ているキノコのため(Familyは同じ)不適ではないようでした。

カワラタケ、シワタケ、オオヒラタケの間で還元に差があるように思いました(カワラ≧シワ>オオヒラ)。n数増やして解析したいところです。

まだまだ改善できる点は多数あるため、0.1mmでも大きい個体を作出できるようこれからも邁進していこうと思います。

他の人がこいつ飼ったら何mmまで出せるのか気になるので、興味ある方声かけてください。投げます。

野外レコ超えバカスカ出せるよ~ってオチついたら、己がいかに飼育ヘタクソか露呈するからイヤだなぁ~。

ギリアンヒラタクワガタ WF1 飼育報告

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ギリアンヒラタクワガタ
Dorcus ghiliani (Gestro, 1881)

インドネシア ケイ島 WD

 

 ほぼケイ島(カイ諸島)特産のヒラタ。パプアヒラタなんかもそうですが前胸の幅が非常に広く、サイズ以上の迫力を感じる種です。入手したWD♂は35ミリ程度の小型個体のため、(これはこれで可愛いのですが)是非とも50upの太くがっしりとした個体を拝みたいところ。

 

 

1.基本的な飼育について

飼育難易度は容易な部類に入ると思います。

よくある発酵マットに材埋め込みのセットで産卵しました。私は16頭しか得られませんでしたがその気になればもっと産ませることはできると思います。

幼虫は菌糸にもマットにも適合する種と思いますが、私はマットで飼育しました。

 

2.羽化個体紹介

♂①57.0mm DG-KWF1-02

2021年7月10日 採卵

2021年8月5日 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重10.7g

2022年4月30日 羽化

蛹体重9.0g

 

本サイクル最大個体。体長そのものは群を抜いて大きいが、おそらくアゴ/体長は最大ではない。

 

♂②44.1mm DG-KWF1-06

2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重6.9g

2022年4月16日 羽化

蛹体重4.2g

 

打って変わってこちらはサイクル最小個体。最大個体と飼育内容が大きく異なるわけではないが、なぜここまで体長に差が出るのか不思議である。

 

♂③54.3mm DG-KWF1-07

2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重データ紛失

2022年4月9日 羽化

蛹体重7.8g

 

♂④?mm DG-KWF1-08

2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重8.1g

2021年5月9日時点で未羽化

 

♂⑤47.8mm DG-KWF1-10

2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2022年1月27日 羽化

 

♂⑥55.0mm DG-KWF1-11

2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重11.4g

2022年4月16日 羽化

蛹体重7.7g

 

蛹体重→体長の還元がいいため、次世代の親候補筆頭。

 

♂⑦54.7mm DG-KWF1-12

2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重10.3g

2022年4月22日 羽化

蛹体重7.9g

 

♂⑧52.2mm DG-KWF1-15

2021年9月10日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重7.3g

2022年4月26日 羽化

蛹体重6.7g

 

♂⑨52.0mm DG-KWF1-16

2021年9月10日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重6.3g

2022年4月22日 羽化

蛹体重6.3g

 

♀①28.6mm DG-KWF1-01

2021年7月10日 採卵

2021年8月5日 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@260プリカ 幼虫体重3.7g

2022年2月23日 羽化確認

 

以下画像省略

♀②28.8mm DG-KWF1-03

2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2022年1月4日 羽化

♀③29.8mm DG-KWF1-04

2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2021年12月25日 羽化

♀④28.2mm DG-KWF1-05

2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2022年1月4日 羽化

♀⑤31.4mm DG-KWF1-09

2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2022年1月4日 羽化

♀⑥30.5mm DG-KWF1-13

2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2022年4月9日 羽化

♀⑦30.0mm DG-KWF1-14

2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル

2021年12月12日 羽化

 

3.まとめ

 目標としていた50upは複数羽化、さらに55upも羽化しており、たいへんカッコいい個体が多く見かけの満足度は高いです。

 しかしながら体長は個体差が大きく、大型化の決定的な要因が見いだせていないことが心残りです。大型個体の羽化に関して、成長期に室温が低かったこと、マットの水分量がたまたま絶妙であったことなどが幸いしたと踏んでいますがよくわかりません(少なくとも乾燥気味はダメそうな予感)。大型化の要因と推測される点について、次世代できちんと観察し記録に残していきたいところです。

 この手のヒラタは菌床飼育が適切という話を耳にしますが、本種はマットでもまだまだ上を目指せると考えています。目指せ58up!

タリアブ島産 フィリピンネブトクワガタ バンガイエンシス WF1 飼育記

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つづき。

前回→タリアブ島産 フィリピンネブト バンガイエンシス 産卵 - きれいで簡単にふえるやつがすき (hatenablog.com)

 

 

1.2021年11月18日 割出

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既に幼虫が這いまわっていたので割出敢行。2齢幼虫21頭と、ネブトとしては少ないながらも累代には十分な数をゲット。

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♀はご臨終。オツカレサマデシタ

Uマット+根食い食いカス+黒土少々を混ぜ、若干緩く詰めてセットしてましたが、幼虫が固い部分から出てきたことを考えるともう少し固く詰めてもいいかもしれません。

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16頭は500ボトル、5頭はパンケタコ飼いへ。
超特大と言わずとも、ぶっちょい個体として羽化してほしい…

 

2.2022年3月17日 ♀羽化確認

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投入後4ヶ月で♀は全頭羽化。噂に聞いていたとおり一瞬ですね…。

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♂は蛹。

 

3.2022年3月19日 ♂羽化

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うっかり割った繭玉に羽化寸前だったものがあり、2日後には羽化していました。

アゴ基部が太く、まさしく「根太」という感じでGoodです。

 

4.羽化個体紹介

♂①28.7mm APBWF1-01

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2021年11月18日 割出 Uマット@500クリアボトル

2022年1月20日 幼虫体重計測 3.0g

2022年3月26日 羽化

 

♂②28.2mm APBWF1-02

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2021年11月18日 割出 Uマット@500クリアボトル

2022年3月26日 羽化

 

♂③28.4mm APBWF1-06

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2021年11月18日 割出 Uマット@500クリアボトル

2022年3月20日 羽化

 

♂④29.4mm APBWF1-13

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2021年11月18日 割出 Uマット@500クリアボトル

2022年3月28日 羽化

 

♂⑤28.4mm APBWF1-15

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2021年11月18日 割出 Uマット@500クリアボトル

2022年3月26日 羽化

 

♂⑥31.7mm APBWF1-17

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2021年11月18日 割出 Uマット@パンケース多頭飼育

2022年4月6日 羽化

最大個体。30ミリ超えると重厚感がグッと増しますね。

 

♂⑦28.3mm APBWF1-18

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2021年11月18日 割出 Uマット@パンケース多頭飼育

2022年3月24日 羽化

 

♀①18.7mm APBWF1-03

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2021年11月18日 割出 Uマット@500クリアボトル

2022年3月17日 繭割り羽化確認

 

以下、画像割愛。

♀②19.0mm APBWF1-04

♀③18.4mm APBWF1-05

♀④18.6mm APBWF1-07

♀⑤17.4mm APBWF1-08

♀⑥18.4mm APBWF1-09

♀⑦18.2mm APBWF1-10

♀⑧?mm APBWF1-11 羽化後死亡

♀⑨17.6mm APBWF1-12

♀⑩17.2mm APBWF1-14

♀⑪17.7mm APBWF1-16

ここまで♀500Uマット組。

 

♀⑫19.1mm APBWF1-19

2021年11月18日 割出 Uマット@パンケース多頭飼育

2022年3月17日 繭割り羽化確認

♀⑬18.5mm APBWF1-20

♀⑭18.8mm APBWF1-21

ここまで♀パンケ組。

 

5.まとめ

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ネブトほぼ初挑戦ながらも、WDから産卵~羽化まで到達できました。ネブト入門種の肩書は伊達ではないようです。アクミナートゥスはコケました

大腮基部の太さと力強い湾曲からは、小型種とは思えないカッコよさを痛烈に感じ取ることができます。羽化までの期間が短く、価格も安価ですので、ネブト初挑戦にはうってつけの種類といえるでしょう。

 

しかしながら30upは1個体のみと、サイズは振るわず。

500ボトル飼育でも、特大とは言わずとも33upくらいは出るだろうと思っていたのですが、甘く見すぎていたかもしれません。

いや、ペレン産が特別大型化するだけ。腕のせいじゃないよ。

 

 

ペレン産が特別大型化するだけ。腕のせいじゃないよ。

 

 

ペレン産が特別大型化するだけ。腕のせいじゃないよ。

 

 

たぶん。

【もとおのクワガタ写真館】カブトムシ編

他の種類の記事はトップからどうぞ

 

1.サビイロカブト属

サビイロカブト(亜種celebensis)

Allomyrina pfeifferi celebensis Silvestre, 1997

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♂ スラウェシ島 パロロ・パル産 CB

飼育レコード:46.0mm(2007)

分布スラウェシ島

コメント:もふみがあり、ギィギィ鳴くかわいいヤツ。飼育品は手ごろな値段なのでぜひ一度飼育してみてほしい。

 

2.ヘラクレスオオカブト

ヘラクレスオオカブト(亜種occidentalis)

Dynastes hercules occidentalis Lachaume, 1985

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小型♂ エクアドル エスメラルダス産 F2

飼育レコード:164.2mm(2019)

分布パナマ東部、コロンビア西部、エクアドル北西部

コメントヘラクレスオキシデンタリスの名で流通することが多い。胸角が細い亜種で、ホソヘラクレスなんて呼ばれたこともあったようだ。胸部が黄色味を帯びる個体はゴールドヘッドと呼ばれ特に人気がある。

ギャラリー

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トップと同一個体

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♀ エクアドル エスメラルダス産 F2

 

サタンオオカブト

Dynastes satanas Moser, 1909

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♂ ボリビア ユンガス コロイコ産 CBF1

飼育レコード:114.3mm(2010)

分布

コメント:高級感あふれるカブトムシ。実際、ワイルド個体は100万円の値が付いたことも。独特の芳香がある(例えるならアードベッグのような匂い)。

ギャラリー

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トップと同一個体

 

3.タテヅノカブト属

クラビゲールタテヅノカブト(原名亜種)

Golofa clavigera clavigera (Linnaeus, 1771)

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♂ ペルー サティポ産 CB

飼育レコード:67.7mm(2020)

分布:コロンビア、エクアドル、ペルー、ブラジル、ボリビア

コメント:真上から見ると胸角がダイヤ型をしているため、ヒシガタタテヅノカブトの名が用いられることもある。流通名として多いのは「ゴロファ・クラビゲール」。羽化後しばらくは胸部が緑色を帯び美しい。

 

ノコギリタテヅノカブト

Golofa porteri Hope, 1837

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♂ ベネズエラ アラグア産 CBF1

飼育レコード:106.8mm(2010)

分布:コロンビア、ベネズエラ、ペルー

コメント:流通名として多いのは「ゴロファ・ポルテリ」。前脚が異様に長くアンバランスな虫だが、腹面の毛が密生するなどかわいらしさも合わせ持つ。

ギャラリー

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4.カブトムシ属

カブトムシ

Trypoxylus dichotomus septentrionalis Kono, 1931

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♂ 岩手県盛岡市産 WD

飼育レコード:91.7mm(2017)

分布:北海道(移入)、本州、四国、九州、佐渡島壱岐対馬五島列島平戸島

コメント:なんだかんだカッコよさの塊のような虫。

 

5.ヒメカブト属

フローレスメカブ

Xyrotrupes florensis florensis Lansbergi, 1879

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♂ フローレス島産 WD

飼育レコード:86.2mm(2020)

分布フローレス

コメント:どうして別名がニセヒメカブトなのか。こいつが何をしたってんだ…。

ギャラリー

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♀ フローレス島 WD

 

6.サイカブト

ヒラズツツサイカブト

Ceratoryctoderus candezei (Snellen Van Vollenhoven, 1866)

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♂ スラウェシ島 パロロ・パル産 WD

飼育レコード:登録なし

分布スラウェシ島、ペレン島

コメント:胸角が二又に分かれた独特の風貌を持つサイカブトサイカブトらしく脚が短く、胴が長いにもかかわらずコロコロした印象を受け何とも愛らしい。近縁種にツヤヒラズツツサイカブト(C. armatus)がおり、そちらもぜひ見てみたいところ。産卵だけ少し癖がある種類のようだ。

ギャラリー

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トップと同一個体

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♀ スラウェシ島 パロロ・パル産 WD

 

イリガーサイカブト

Oryctes nasicornis illigeri Minck, 1915

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♂ インド カシミール産 WD

飼育レコード:登録なし

分布:インド(カシミール

コメント:数少ない合法Oryctes。ヨーロッパ産原名亜種の生体もみてみたいところ。

 

7.コカブト族

ジャワコカブト

Eophileurus javanus Prell, 1913

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♂ 東ジャワ アルゴプーロ産 WD

飼育レコード:登録なし

分布:ジャワ島、ニアス島

コメント:日本のコカブトよりも大型になり、オスの頭部のへこみは浅い印象。

ギャラリー

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トップと同一個体

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♀ 東ジャワ アルゴプーロ産 WD

 

7.へクソドン族

ウスチャヘクソドン

Hexodon unicolor Olivier, 1789

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♂ マダガスカル産 WF2

飼育レコード:登録なし

分布マダガスカル

コメント:雑食でゼリーでも蜜柑の皮でも何でも食べる。一応カブトムシの仲間だが、全くそうは見えない。

ギャラリー

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トップと同一個体

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♂♀ マダガスカル産 WF2

 

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