ギリアンヒラタクワガタ
Dorcus ghiliani (Gestro, 1881)
インドネシア ケイ島 WD
ほぼケイ島(カイ諸島)特産のヒラタ。パプアヒラタなんかもそうですが前胸の幅が非常に広く、サイズ以上の迫力を感じる種です。入手したWD♂は35ミリ程度の小型個体のため、(これはこれで可愛いのですが)是非とも50upの太くがっしりとした個体を拝みたいところ。
1.基本的な飼育について
飼育難易度は容易な部類に入ると思います。
よくある発酵マットに材埋め込みのセットで産卵しました。私は16頭しか得られませんでしたがその気になればもっと産ませることはできると思います。
幼虫は菌糸にもマットにも適合する種と思いますが、私はマットで飼育しました。
2.羽化個体紹介
♂①57.0mm DG-KWF1-02
2021年7月10日 採卵
2021年8月5日 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重10.7g
2022年4月30日 羽化
蛹体重9.0g
本サイクル最大個体。体長そのものは群を抜いて大きいが、おそらくアゴ/体長は最大ではない。
♂②44.1mm DG-KWF1-06
2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重6.9g
2022年4月16日 羽化
蛹体重4.2g
打って変わってこちらはサイクル最小個体。最大個体と飼育内容が大きく異なるわけではないが、なぜここまで体長に差が出るのか不思議である。
♂③54.3mm DG-KWF1-07
2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重データ紛失
2022年4月9日 羽化
蛹体重7.8g
♂④?mm DG-KWF1-08
2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重8.1g
2021年5月9日時点で未羽化
♂⑤47.8mm DG-KWF1-10
2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2022年1月27日 羽化
♂⑥55.0mm DG-KWF1-11
2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重11.4g
2022年4月16日 羽化
蛹体重7.7g
蛹体重→体長の還元がいいため、次世代の親候補筆頭。
♂⑦54.7mm DG-KWF1-12
2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重10.3g
2022年4月22日 羽化
蛹体重7.9g
♂⑧52.2mm DG-KWF1-15
2021年9月10日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重7.3g
2022年4月26日 羽化
蛹体重6.7g
♂⑨52.0mm DG-KWF1-16
2021年9月10日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@800ボトル 幼虫体重6.3g
2022年4月22日 羽化
蛹体重6.3g
♀①28.6mm DG-KWF1-01
2021年7月10日 採卵
2021年8月5日 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2021年11月24日 北斗恵栽園クワガタマット@260プリカ 幼虫体重3.7g
2022年2月23日 羽化確認
以下画像省略
♀②28.8mm DG-KWF1-03
2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2022年1月4日 羽化
♀③29.8mm DG-KWF1-04
2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2021年12月25日 羽化
♀④28.2mm DG-KWF1-05
2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2022年1月4日 羽化
♀⑤31.4mm DG-KWF1-09
2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2022年1月4日 羽化
♀⑥30.5mm DG-KWF1-13
2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2022年4月9日 羽化
♀⑦30.0mm DG-KWF1-14
2021年8月27日 割出 北斗恵栽園クワガタマット@500ボトル
2021年12月12日 羽化
3.まとめ
目標としていた50upは複数羽化、さらに55upも羽化しており、たいへんカッコいい個体が多く見かけの満足度は高いです。
しかしながら体長は個体差が大きく、大型化の決定的な要因が見いだせていないことが心残りです。大型個体の羽化に関して、成長期に室温が低かったこと、マットの水分量がたまたま絶妙であったことなどが幸いしたと踏んでいますがよくわかりません(少なくとも乾燥気味はダメそうな予感)。大型化の要因と推測される点について、次世代できちんと観察し記録に残していきたいところです。
この手のヒラタは菌床飼育が適切という話を耳にしますが、本種はマットでもまだまだ上を目指せると考えています。目指せ58up!