メタリフェルホソアカクワガタ 亜種isogaii
Cyclommatus metallifer isogaii Mizunuma & Nagai, 1991
タリアブ島 西タリアブ産
1.はじめに
メタリフェルのスラ諸島亜種。基部が角ばったやや直線的な大アゴが特徴です。
2023年現在、タリアブ島の虫が定期的に入荷しており見かける機会も増えてきました。オークションに出ていた野外品を寝ぼけてうっかり購入。寝ぼけ眼で溶かしていい金額ではない
到着後3日ほどで落ちてしまったため死虫を撮影。
上翅の肩部が角ばる点も特徴の一つ。イソガイらしい個体だと思います。
♀は光沢が非常に強く特徴的です。なお写真を撮っていない模様。何やってんですかね。
ホソアカの飼育は苦手なのですがせっかく入手したからにはきちんとブリードしようと思います。
2.飼育記
2-1.2023年9月24日 産卵セット
産卵一番+端材埋め込み、コバシャ中。
友人が組んだ作り置き産卵セットを借りパクするという最低行為。
2-2.2022年10月18日 割出
20頭ほど幼虫をゲット。6頭を産卵セットを譲ってくれた友人へ献上し残りを抱えました。ちょうどいい数。
なお写真を撮っていない模様。やる気あんのかな?
2-3.2022年3月30日 ♀羽化、♂蛹化
一足早く♀が羽化。ボトル投入後5ヶ月程度。テカテカしておりとてもきれいです。
同時期に♂が蛹化開始。メタリフェルの蛹をまじまじと見るのは初めてなのですが、この異様な長さのアゴは感動しますね。
2-4.2023年5月2日 ♂羽化開始
♀から少し遅れて♂が羽化を開始。この程度の羽化ズレなら全く気になりませんね。
親よりも大きく羽化してくれたので満足度が高いです。
3.羽化個体紹介
♂①69.4mm CMIWF1-01
2022年10月18日 恵栽園マット800
2023年5月16日 羽化
蛹体重4.8g
♂②72.6mm CMIWF1-02
2022年10月18日 恵栽園マット800
2023年5月2日 羽化
蛹体重4.9g
♂③78.2mm CMIWF1-03
2022年10月18日 恵栽園マット800
2023年5月2日 羽化
蛹体重5.7g
最大個体。蛹の時から顎がぐちゃぐちゃだった。綺麗に羽化してくれていれば…と、たられば言わずにいられない。
♂④73.7mm CMIWF1-04
2022年10月18日 恵栽園マット800
2023年5月13日 羽化
蛹体重5.1g
♂⑤74.5mm CMIWF1-05
2022年10月18日 恵栽園マット800
2023年5月3日 羽化
蛹体重5.0g
♂⑥59.2mm CMIWF1-06
2022年10月18日 恵栽園マット800
2023年5月19日 羽化
蛹体重4.0g
撮影後、オキナワコカブトのおやつになりました。
♂⑦64.2mm CMIWF1-08
2022年10月18日 恵栽園マット800
2023年5月3日 羽化
♂⑧67.4mm CMIWF1-12
2022年10月18日 恵栽園マット800
2023年5月2日 羽化確認
蛹体重4.3g
♀①26.1mm CMIWF1-09
2022年10月18日 恵栽園マット800
2023年3月26日 羽化
♀②26.5mm CMIWF1-10
2022年10月18日 恵栽園マット800
2023年3月20日 羽化
左アゴ麻痺、左後脚フセツ欠け、上翅ディンプル
♀③26.9mm CMIWF1-11
2022年10月18日 恵栽園マット800
2023年3月26日 羽化
♀④22.5mm CMIWF1-XF
2022年10月18日 恵栽園マット120カップ
2023年2月25日 羽化
4.所感
とりあえず当亜種らしい形状で羽化してくれたので安心しました。1頭だけかつ不全気味ではありますが、野外レコードの77ミリオーバーも羽化してくれたのはとても嬉しかったです。メタリフェル1番の魅力である、「体よりも優に長いアゴ」を拝むことができ満足。昔はハサミムシを量産していたので感慨深い…
全体を見ると個体間で体長のばらつきが目立ったように思います。冬、部屋の温度がかなり下がった日が続いた(15~16℃)せいか、適応できる個体とそうでない個体で差がついたのかなと考えています。灼熱の島であるタリアブ島の虫ですが、メタリフェルという種族らしく低温への適応能力は潜在的に備えているっぽいですね。低温で大きくなった個体を選別していけば、アベレージアップに大きくつながりそうな気がします。
2~3年ぶりにメタリフェルのブリードをしましたが、やっぱりカッコいいですね。せっかくなので続けようかと思います。余裕があればペレメタとも真摯に向き合えればいいな…などと。これを契機にホソアカへの苦手意識が払拭できれば嬉しいのですが。がんばります。