サイガヒラタクワガタ
Dorcus saiga (Olivier, 1879)
1.はじめに
前回、散々な飼育をしてしまったサイガヒラタ(前回→サイガヒラタクワガタ ブル島産 F4 飼育記 - きれいで簡単にふえるやつがすき (hatenablog.com))。今回はセラム島産です。
形状的にはブル産の方が細長くサイズを稼ぎやすそうに見えますが、大きくするのはセラム産の方が簡単だったりするかもしれません。
WF1は持腹で採卵したので、♂は暇そうにしてました。WF1♀の羽化が間に合ったので、せっかくの機会ということで別系統を作ろうと思います。野外品の入荷多くないですし。
2-1.2022年8月21日 ペアリング
♂は2021年12月購入の野外品のため、いつ限界が来てもおかしくないので♀が後食開始して間もなくペアリングを行いました。サイズは47.2×28.2。
2-2.2022年9月 産卵セット
産卵セットはマット固詰めのみ。サイガはマットだけで十分産みます。
レスポンスも早くていい感じです。
2-3.2023年1月24日 割出
随分放置してしまいました…。若齢幼虫ばかりなのは救いかも。
子食い→再度産卵みたいなことしてたんでしょうか。♀は元気でした。
前回はマット飼育をしていましたが、思うところがあり菌糸でやることにします。
2-4.2023年8月24日 羽化
1年もかからず羽化。ちゃんと文章を読んでくれている方は「あれ、菌糸で飼育したんじゃないの?マットで羽化してるようだけど」と思ったことでしょう。というのも、羽化するまでにいろいろありまして…
・冬にボトル投入して室温(16~18℃)で飼育した結果、寒すぎて半分くらいが落ちる
・菌糸の劣化がひどく、コバエ祭りになってしまったボトル多数
これらの問題のせいでまた散々なことに(自分のせい)。写真の個体は、蛹化したもののコバエがひどすぎたため他種の蛹室にお引越しした、という経緯がありました。
しょげることもありましたが、一旦羽化した成虫を見て落ち着くことにします。やっぱサイガかっこいいなぁ…。
3.羽化個体紹介
♂①55.3mm DS-SCBF1-B07
2023年1月24日 エレメント800 初齢
2023年9月21日 羽化確認
蛹体重7.2g
♂②58.3mm DS-SCBF1-B09
2023年1月24日 エレメント800 初齢
2023年12月13日 羽化
蛹体重8.0g
当サイクル最大個体。
♂③58.1mm DS-SCBF1-B16
2023年1月24日 エレメント800 初齢
2023年9月30日 羽化
蛹体重8.0g
♂④57.3mm DS-SCBF1-B20
2023年1月24日 エレメント800 初齢
2023年8月24日 羽化
蛹体重7.8g
♂⑤55.8mm DS-SCBF1-BX02
2023年1月24日 エレメント800 初齢
2023年12月8日 羽化
蛹体重7.2g
♀①28.6mm DS-SCBF1-B11
2023年1月24日 エレメント800 初齢
2023年9月7日 羽化確認
♀②28.8mm DS-SCBF1-B13
2023年1月24日 エレメント800 初齢
2023年9月7日 羽化確認
♀③28.7mm DS-SCBF1-B17
2023年1月24日 エレメント800 初齢
2023年7月2日 羽化確認
♀④28.3mm DS-SCBF1-B18
2023年1月24日 エレメント800 初齢
2023年7月2日 羽化確認
♀⑤28.4mm DS-SCBF1-B19
2023年1月24日 エレメント800 初齢
2023年7月 羽化
♀⑥25.0mm DS-SCBF1-BX01
2023年1月24日 エレメント800 2齢
2023年7月16日 羽化確認
4.所感
この人またやらかしてるよ…。サイガでやらかしをかまさないといけない呪いにでもかかっているのでしょうか。
最大個体は58upで、悪くはないと思います。2024年1月現在の飼育レコードは60.5ミリなので、やらかしがなければ射程圏内でしょう。
2023年に近縁種のデタニヒラタでレコードをとることができましたが、その時は高温×菌糸でした。サイガも似たような飼育で大型個体を作出できるのだろうと思います。
北日本で高温環境!!は中々厳しいものがありますが、ブリードする時期を工夫しながら頑張ろうと思います。次は♂レコード超え、♀30upが目標。
オセアニア系ヒラタの中で♀を大きくするのが一番難しい気がする。デタニ、テルナテ、パプアは出ているのに…。♂のサイズから考えると意外。30up出たら伝わらない自慢をすることにしよっと。