きれいで簡単にふえるやつがすき

趣味で飼育しているクワガタの飼育記録を投稿します。小型種多め。

セリコルニスノコギリクワガタ WF1 飼育記

セリコルニスノコギリクワガタ

Prosopocoilus serricornis (Latreille, 1817)

マダガスカル ムラマンガ産

 

マダガスカル島特産のノコギリクワガタ。ユミツノ系ノコギリの中ではおそらくもっとも大型になる種。体色は黒一色とシンプルですが、アゴの形は短歯、中歯、長歯それぞれに趣がありとても面白い虫です(参考:ビークワ79号)。私は中歯が一番好みです。アゴ先の反り返りがすけべ

 

 

1.はじめに

2022年の冬、突如としてワイルドの入荷がありました。へクソドンの入荷があったなどフラグは立っていたかも

少し時が経って2022年の4月、運よく♀単を入手できたので、きっちり増やしたいところ。国内から絶えてた種類なので緊張します。種持ってるといいんですが…。ペアは高すぎてとても手が出ませんでした。

29.8ミリ。寸詰まり体形。太ったブッダノコギリみたい。おそらくセリコルニスで間違いないでしょう。

産地のムラマンガ(Moramanga)はケッペンの気候区分温暖冬季少雨気候(Cw)に属する温帯です。涼しい時期よりは蒸し暑い時期が長く、平均最高気温は27℃ほど。冬でもある程度温暖で、最高気温は20度に達する日も少なくないようです。寒い日の最低気温は一桁台まで下がるみたいですが。あれ、日本より断然過ごしやすい?

雨季、乾季がはっきりしている気候はマダガスカルらしいですね。

気候から推察するに、本種はある程度の低温耐性を持っているものと思います。

引用:Moramanga Climate, Weather By Month, Average Temperature (Madagascar) - Weather Spark

華氏温度わかりにくいですね。鬼畜米許すまじ

 

2.飼育記

2-1.2022年4月25日 産卵セット

よくある材埋め込みセットですが、材産み傾向が強いことを意識して材側面のマットはふんわり。

3日後(4月28日)には産卵痕を確認。

月をまたいで5月2日、無事卵を確認!!

経過観察を目的として採卵。

頼むから孵化してくれぇ~~~

 

2-2.2022年5月17日 孵化

うおぉぉぉぉいやったあぁぁぁぁぁぁあ~~~~~~!!!!!!

無事、持腹で幼虫が得られました!めちゃくちゃ嬉しいです。

もう少し養生してからボトルに移そうと思います。

産卵セットの方もたくさん孵化しているようです。幼虫は小さそうなので割出は後日にまわします。

既に産卵セットから抜いていた♀を再セット(6月13日)。

この虫は無限に採るに越したことはないでしょう。

 

4.2022年6月27日 割出

先に採卵した分と合わせてそこそこ採れました。累代には十分な数が得られたのでひとまず満足です。

大丈夫そうなものからマットとカワラ菌糸へ投入。

 

2-3.2022年9月17日 二回目割出

ハイ放置しました。最初の熱量はどこへやら。完全に怠慢、慢心。先に十分な量採れてたしまぁいいか。

手遅れのもいますがマットへ投入。あっと言う間に蛹化しそうです。

 

2-4.2022年9月20日 ♀蛹化

最初の方にマットに投入した♀が蛹化。別に大きくはないですが、蛹化1号は何でも嬉しいものです。

 

2-5.2022年10月11日 ♀羽化、♂蛹化

♀が羽化しました。ひとまず親は超えてくれたようです。丸っこくてかわいらしいですね…。

♂も蛹化開始。おそらく中歯です。

本当にいい形してます。蛹の時点でわかる、アゴの反り返り。えっち!

ボトル越しでもわかる、スケベなアゴ。素晴らしいです。

クソ暴れしたのは許さん

 

2-6.2022年11月4日 ♂羽化

ど!す!け!べ!え!っ!ち!む!す!優!勝!

最強です。本当にありがとうございます。

そしてノギスあてて絶望するまでがワンセット。夏場の温度管理サボったのが悪い

 

3.羽化個体紹介

♂①42.3mm PSWF1-01

2022年6月11日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2022年11月14日 羽化

 

♂②47.6mm PSWF1-02

2022年6月11日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2022年11月3日 羽化

蛹体重5.1g

 

♂③43.7mm PSWF1-04

2022年6月11日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2022年11月28日 羽化確認

 

♂④47.2mm PSWF1-09

2022年6月14日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 10.3g

2022年12月上旬 羽化

 

♂⑤51.4mm PSWF1-10

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年12月上旬 羽化

蛹体重6.6g

 

♂⑥52.1mm PSWF1-11

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年12月12日 羽化

蛹体重7.0g

右上翅ピンホール

 

♂⑦50.6mm PSWF1-13

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年12月上旬 羽化

蛹体重6.6g

 

♂⑧48.8mm PSWF1-14

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2023年1月2日 羽化

蛹体重6.0g

 

♂⑨51.0mm PSWF1-15

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年12月上旬 羽化

蛹体重6.5g

 

♂⑩53.0mm PSWF1-16

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年12月上旬 羽化

蛹体重7.0g

当サイクル最大個体。

 

♂⑪51.6mm PSWF1-17

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年12月上旬 羽化

蛹体重6.7g

 

♂⑫52.0mm PSWF1-20

2022年6月19日 採卵

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月29日 羽化

蛹体重 7.0g

上翅シワ

 

♂⑬47.5mm PSWF1-24

2022年6月27日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年1月2日 羽化

蛹体重5.3g

 

♂⑭50.4mm PSWF1-25

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 2齢

2023年2月12日 羽化

蛹体重5.7g

 

♂⑮49.6mm PSWF1-26

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 2齢

2023年2月12日 羽化

蛹体重5.9g

 

♂⑯51.6mm PSWF1-27

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 2齢

2023年2月25日 羽化

蛹体重5.8g

写真撮り忘れ。

 

♂⑰50.7mm PSWF1-28

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 2齢

2023年2月15日 羽化

蛹体重6.0g

 

♂⑱48.6mm PSWF1-29

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年3月30日 羽化

蛹体重5.2g

 

♂⑲48.7mm PSWF1-30

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年5月29日 羽化

 

♂⑳48.8mm PSWF1-31

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年5月22日 羽化

 

♂㉑47.8mm PSWF1-32

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年3月22日 羽化

蛹体重5.2g

 

♂㉒38.7mm PSWF1-34

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年5月19日 羽化

 

(♂☆ PSWF1-22)

2022年6月19日 採卵

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月3日 恵栽園マット+黒土@800ボトル 11.1g

蛹体重7.7g

推定54ミリほど。最大個体になる予定だった…。

 

やや幅が出るノコギリのためか、マイナーヒラタほどではないにしても蛹体重がアテになりません。

 

♀①29.8mm PSWF1-03

2022年6月11日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2022年10月28日 羽化

 

♀②32.3mm PSWF1-05

2022年6月11日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2022年10月11日 羽化

蛹体重3.1g

 

♀③30.2mm PSWF1-07

2022年6月11日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2022年10月17日 羽化

 

♀④33.4mm PSWF1-08

2022年6月14日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月10日 羽化

 

♀⑤34.7mm PSWF1-12

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月10日 羽化

 

♀⑥37.5mm PSWF1-18

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月11日 羽化

 

当サイクル最大♀。次点が35.3ミリなので、頭二つ抜けてます。

2024年♀レコード掲載いただきました。やったね!

ついでにチビブルイジンも。

思ったより評価低かった。ブルイジンは思ったより高かった

 

♀⑦35.3mm PSWF1-21

2022年6月19日 採卵

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月11日 羽化

蛹体重 3.9g

 

♀⑧34.4mm PSWF1-23

2022年6月19日 採卵

2022年6月27日 恵栽園カワラ@800ボトル 初齢

2022年11月24日 羽化

 

♀⑨31.1mm PSWF1-33

2022年9月17日 恵栽園マット@800ボトル 初齢

2023年2月6日 羽化

 

♀⑩32.1mm PSWF1-35

2022年9月17日 恵栽園マット@500ボトル 3齢

2022年12月26日 羽化

 

♀⑪30.5mm PSWF1-36

2022年9月17日 恵栽園マット@500ボトル 3齢

2022年12月14日 羽化

 

♀⑫31.3mm PSWF1-37

2022年9月17日 恵栽園マット@500ボトル 3齢

2022年12月14日 羽化

 

4.所感

♀はともかく♂に関しては散々な飼育内容です。降温をしていないという致命的なミス。だって忙しかったんだもん…(言い訳)。せめてもの抵抗でコンテナ最下段には置いてた

加えてカワラ組の暴れを全く抑えられなかったのも下手すぎます。猛省してます

それでも手っ取り早く大きくするならカワラが有効な可能性が高いことまではわかりました。

とはいえ無事にワンサイクルまわって一安心です。♀単スタートから♂が出てくるとテンションの上がり幅が違いますね。サイズに目をつむれば形はめちゃくちゃカッコいいので好感度が爆上がりです。あと♀レコとれて嬉しい。♂より先に♀が登録されてしまった…。53ミリ程度じゃ応募できないもん。もっとでかいの応募してる人いると、思うじゃん?

次は55upを、あわよくば長歯を狙います。飼育自体はとても簡単で、既に次世代が多数得られています。がんばるぞい!

 

以下ブリードメモ。

・休眠期間にムラあり。2か月~半年。活動後の寿命は長くもなく短くもなく、だいたい半年くらい。

・産卵は恐ろしく簡単。基本材産みだが、スイッチが入るとマットへも狂ったように産み始める。

・幼虫は「オパクスの死なない版」みたいな感じの気がする。